香蘭学園 40 ひんやりした感触が頬に当たる。 「ん…冷た…。」 「ハイ。水、飲むでしょ?」 ミネラルウォーターだとすぐに気づいて浬からペットボトルを起き上がり受け取った。 喉かカラカラでその冷たさが体に入ってくると心地良い。 「…ぁ。」 唇についた水滴を浬に舐め取られ、真っ赤に頬を紅潮させた。 「藍、真っ赤。」 「浬がそうさせたんでしょっ。」 クスクス笑う浬に恥ずかしくてシーツで顔を隠す。 そんな光景もどこかシアワセ感に浸っていた。 「ねぇ、俺は藍に出来るだけのことはするから藍も…、俺のことで悩むなよ。」 ベッドから抱き上げられ、藍の身体が中に浮く。 「浬…っ。」 甘く甘く蕩けそうなキス。 思わず両手を首に回し、受け入れていた。 汗ばむ肌も触れ合うその熱さも忘れられない。 溢れ出す優しさと体温。 隙間なく埋めていくその肌色で。 高校生活最後の熱い夏が始まろうとしたばかり。 笑い合えたらまた、未来は明るい。何だってくぐり抜けて行ける。 触れ合った場所から幸せが溢れていた。 終わり [*前へ] |