香蘭学園
31
『了解★彡』
数秒後、渡辺からメールが返ってくるなりポケットにまた携帯を突っ込んだ。
何か自分でも今している行動がおかしいと思ったが気にしている場合ではない。
恐る恐る玄関のドアノブを開ける。
「…日狩?」
そっと日狩の部屋に入り、様子を伺った。
「飲み物とか買ってきたけど飲む?食べるならお粥もあるけど…。」
遮光カーテンで太陽光を遮り豆電球がついた部屋、ベッドの中で日狩の瞼がうっすら開くのが見えた。
「朔…夜…。アハハ。俺、格好悪い過ぎ。」
一瞬驚いたように日狩が目を見開くと苦笑いを見せる。
飲み物の入った袋を日狩に手渡すと、喉が渇いていたのかその中の一本を取り出すなり一気に飲み干していた。
先程までの心配が払拭され、安心して朔夜の顔が緩む。
熱が下がったのかを確かめるために額に手をあてるがまだ熱い。
「まったく…早く治しなよ。」
「あぁ。これ…サンキュな。」
日狩が朔夜に礼を言った瞬間…――。
「うわッっ…日っ!!」
日狩にに腕を捕まれ朔夜は否応なしにベッドの中へと引き込まれていた。
「っなんだよ!大人しく寝てろよ…。熱あるんだろ。触んなよ。」
「朔チャン……。」
「っ…しかも制服がシワになるだろっ、離せよ。」
朔夜がジタバタ暴れ逃げようとしても逃げることが出来ない。
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