香蘭学園 37 身体の奥を支配するそれはギッチリ締め付けて離さない。 浬の身体の一部が自分と繋がって満たされていく。 「あ、っぁ…。」 「…苦しい?」 動かずに藍が慣れるまで浬が腰に手を回し、少しでも辛く無いようにと摩っていた。 藍が手を伸ばし浬に縋り付く。汗ばむ身体がしっとり吸い付く様に密着し、浬に夢中でキスを求めていた。 「浬…ッ…んッ。」 ようやく慣れ始め藍の表情が和らぐと浬も安心して微笑む。 「俺ね、…藍のことずっと心配で、早くこうしたいと思った。」 「ぁ、うん…。」 「病院にいても退屈だし、面倒な授業に出ないですむのはイイけど毎日エリカの相手も大変だったからね。」 伏し目がちに浬が本音を語り出した。 藍はと言えば、急にエリカの名前を出されて不安そうに眉根を寄せ、指先に力が入る。 「やだ…。浬、やっぱ…。」 その先は言えない。唇を噛み締めて感情を押さえ付ける。 「そんな訳ない。前も話したでしょう?あの子に対して特別な感情は持ち合わせていない。だって抱きたいと思うのは藍だけだから…。」 藍の言いたい事を直感的に感じたのか浬が苦笑する。 肌を重ねる度に溢れそうになるくらいの愛情。 浬にいつも愛されているとわかっていた筈なのにどこかで不安になっていた。 [*前へ][次へ#] |