短編小説
2
「至〜」
抑揚のない声で、兄貴が俺の名前を呼んだ。
「んだよ、クソ兄貴」
高校の受験勉強の息抜きに下に下りてきて、真っ先に聞いた兄貴のだらしのない声に些かイラついていた。
「(クソ…)――――、ゲームしようぜ」
なんて、兄貴は言ってきた。俺の答えはもちろん、
「は…………やるかボケ。」
だ。
「(ボケ…)…………はぁーん、だよな、そうだよな。ごめんな」
何やら兄貴が哀れんだようなうざい顔をしてくる。
「は………何が?」
「お前、ゲームめちゃくちゃ弱かったもんなぁー。そりゃーしたくないよな。悪い!!兄ちゃんが悪かった!」
俺は、その言葉に完全にキレた。
「ざけんな………いいよ、やってやるよ。」
兄貴がどう思って俺をゲームに誘ったのかは、知らねぇが、弱いと言われたらいらっとくる。
俺は、兄貴の誘いにのってゲームをした。
「(ちょろ…)…よし、そんなにやりたいならやろうぜ」
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