[携帯モード] [URL送信]

Heavy smokerbaby once more cry.
ハジマリ





「で、なってくれるの?」


「え………」



浮かれていて、なんのことやらすっかり忘れていた。


「だーかーらー、俺の友達になってくれるって話」



ああ。そうだった。



「………僕じゃ、不釣り合いか………?」



よく考えたら、学校の生徒全員が憧れてる有名人に僕なんかが………



「俺は嬉しいよ?」


「え?」


「小椋が俺の友達になってくれたら、嬉しい」


「僕なんかで、いいのか…?」



「フフ、小椋なんかじゃないよ。俺に近づいてきてくれたの…小椋が初めてだよ。」












――――――…そうか。


〔ユートピアは、眺めるのが一番さ〕











あぁ、なんて僕達は勝手なんだろう。


勝手にヒーローのように、
腫れ物のように扱って、


ユートピアを孤独にしていたのは、



――――――…紛れもない僕達だ。






「……僕も、ユトの友達になれたら…嬉しい」




そう返したら、ユートピアは


今までにないくらい



美しく、そして幸せそうに笑った。






「よろしくね、小椋」




差し出された真っ白い綺麗な手。



僕は、その手にそっと自分の手を重ねた。














ああ、僕らのユートピア。



噂でしか耳にしなかった君と


こんなに近くで笑い合えるなんて、


数時間前の僕は、想像出来ただろうか。





こんなにも、嬉しく幸せな気持ちを知ることなんて


想像出来ただろうか。












ああ、僕らのユートピア。





僕らきっと、今から始まるんだね。





罰掃除はきっとプロローグ。



君と出会ってやっと、僕の人生は始まったんだ。


君も同じ気持ちなら、いい。









君の手をとりながら、







(この息すら苦しい生活の中で、君を糧に生きていくのも悪くない)









そう、思えたんだ。

















END





[*前へ][次へ#]

11/12ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!