[携帯モード] [URL送信]

Heavy smokerbaby once more cry.
call me.

**********


「ユートピア、そこ汚れて………」


「ちょっと待った」

とユートピアは僕の目の前に手を向けて、何かに制止をかけた。

「?」



何を待つのだろうか。何かしたか?見当がつかない。



「何が……だ……?」



首を傾けて、聞いてみた。

ユートピアは、僕のほうを向くと


「名前」



「名前?」


ユートピアの事か?

さらによく意味がわからず、首を傾けると



「その呼び方、止めてくれない?」


「………ユートピアって呼び方か?」


「そう。なんかそれ、人間じゃない見たいじゃん」


デッキブラシに顎をのせて、ふて腐れたようにユートピアは言う。


その姿すらきれ………じゃなくて、



「じゃぁ、名前は?僕は今まで君を噂でしか知らなかったから、そう呼んでいたけど、名前があるなら、そっちで呼びたい」


「フフフ、俺に名前ないとでも思ってたの?」



シニカルに笑いながら、ユートピアはその瞳を細めた。



「……あるなら言ってくれ」



「………ヤだ」



「っっ!!なんで?」



「だって、小椋だって名前教えてくれないじゃん?俺だけ教えんのって不公平だと思わない?」




不公平?僕が名前を教えてないから?



「だから教えろって?」

「いや、そうとは言ってない。」



じゃあ、どうすればいいんだ。



「そうだな……じゃぁ、小椋が名前付けて」



「え……………」



なにを言っているんだユートピアは。



「なん、で、僕……?」


「小椋が気に入ったから。別にたいした事じゃない。その名前は小椋しか呼ばないんだし」



「僕しか…呼ばない……?」



「そう、だから小椋が決めて。」



「名前………」




名前と言われても、いいのが思いつかない。

ユートピアはユートピアだし……。



「……………」


「……………」



じっとユートピアが、僕を見つめてくる。



「………じゃぁ、ユートピアの………ユトってどう?」



「……………」



やっぱり少し子供っぽかっただろうか。


不安になり、おずおずと顔を上げると、ユートピアは笑っていた。







[*前へ][次へ#]

9/12ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!