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Clap byバーダック クリスマスver.





「…あ、あれ…?みんなは……?それよりここはどこなんだろう……」







何か見覚えのある所だけど…



まさかね……






「と、とりあえずここに住んでいる人に色々聞いてみようかな……」











****




「旦那、何かおたくに会いたいという方がお見えですが…いかが致しましょう……?」



「…オレに会いてぇだと…?まさか敵襲か…!?この星を狙って……!」



「…いんや、可愛い女の子です」



「お、女だと……?」


(女の知り合いなんぞ居た覚えは……まさかサイヤ人の生き残りか…?それとも、フリーザ 軍の残党という可能性もある……)



「どうなさいます?」



「ああ、構わねぇよ。連れて来い」



「分かりました。さあ、どうぞ」



「あー!!やっぱりバーダックさんだった!どうもお久しぶりです!」

「うわぁあっ!!」


「…え、あの…ど…どうされました?」



「いやいや!どうもこうもねえ!おおおっ、お前…っ!何でこんなとこに居るんだ!?どうやって此処に?」



「それが……私にもよく分からなくて…気が付いたら此処に居たんです……」



「な、なんだそりゃあ…ワケが分かんねぇな……」



「それより、今日は地球ではくりすますっていう祭りがあるそうなんです。バーダックさん、ご存知ですか?」



「クリスマス…?ああ、オレも聞いた事がある。大切な者同士が共に過ごす日、だったか?」



「仰る通りです!今地球ではキラキラした綺麗な飾りがあちこちにあるんですよ!」



「そんな貴重な日にオレのとこに来ている場合じゃねぇだろ。…心配するな。帰れる方法はある」



「え、帰れる方法あるんですか!?いつの間にそんな技術が……」



「まあ、色々あってな……」



「あ…で、でもせっかくなので、もう少しバーダックさんとお話ししたいです……」



「…………」



「…バーダックさん?」



「…まさかお前……カカロットとまた何かあったのか?」



「…え、どうしてです?」



「お前が帰りたくない素振りを見せるのは珍しいからな…それに、前に地球へ行った時、泣いてただろ。アレからちょっと気になっていてな……」



「いえ…別に何もありません。ありませんけど、丁度ここに来る前までバーダックさんの事を考えていたので、ここに来たのは多分そのせいかなぁって思っていて……」



「はあっ!?何でオレの事を!?またワケの分かんねぇ事を…いや待てよ……リファ、ちょっとこっち来てみろ」



「え……?何ですか?うわあっ!」



「うーん…ちゃんと身体は生身のままみたいだな……」



「あ、あの……」


(き…、急に抱きしめないでよー!!)



「…ああ、悪い悪い。いや…お前の意識だけがこっちに飛ばされて来たんじゃねぇかって思ったんたが…どうやら違うみてぇだな……」



「私、そんな能力ないですよ……あったとしても元々の力が遥かに弱いですし……」



「無意識でここに来ちまったんなら、尚更厄介な事になるぞ…お前のこれからの生活にも支障が出る可能性もあるからな……」



「無意識、と言われましても…す、すみません…私にもよく分からなくて……」



「何もそんな事言ってね…あ"ーーっ!分かった!分かったからそんな顔すんじゃねぇよ……ったく、しょうがねぇな……」



「あの…バーダックの旦那、そのお嬢さんは、お知り合いで?」



「ああ、まぁな……」



「然様ですか…ではわたくしはお茶でもご用意させて頂きます」



「こぶ茶が棚にあった筈だ。それを出してやれ」



「え、こぶ茶…でございますか?ジュースなどの方が……」



「コイツは見かけによらず、ばあさんみてぇな好みなんだ。悪いが頼んだぞ」



「は、はあ…かしこまりました。すぐにお持ち致します……」



「おいリファ、お前何か食いたいもんはあるか?」



「食べたいもの?い、良いんですか?」



「ああ、この星にある食材で用意出来るかは分からんが、要望だけは聞いてやる」



「じゃあ私…うで卵!うで卵が食べたいです!」



「うで卵ってお前……」


(なるほどな、そのなまりはカカロットの影響か。…ったく、あの野郎…余計な事教えやがって……!)



「あの…バーダックさん、卵がなければ別のもので構いませんよ?」



「あ…いや、ワリィ。ゆで卵なら食料庫にあった筈だ。ちょっと待ってろ」




******



「お嬢さん、こぶ茶お持ち致しました。此処に置いておきますね……」



「すみません、ありがとうございます」



「いえいえ、それにしても驚きました…まさかバーダックの旦那にこんな可愛らしい彼女さんがおられたとは……」



「か、可愛らしいって…そんな勿体ない…私は彼女とかじゃないんですよ。バーダックさんは、私が小さい頃からお世話になっている人で……」



「然様ですか。我々も旦那にお世話になってばかりなんです。サイヤ人は恐ろしい種族だと悪い噂を聞きますが、彼からは悪など全く感じられませんよ」



「そうですか…やっぱり、お優しいんですね……昔と変わらないんだ……」







********



「待たせたな。大量に余ってたから好きなだけ食っていけ」



「うわあ〜っ!箱の中にこんなに卵がいっぱい!!懐かしいなぁ〜…あの時、いつも私に食べさせてくれましたよね…」



「そうだな…こうやって一緒に居ると、昔を思い出す。あの時はただのガキだったってのに……」



「私もちょっとは成長したでしょう!?悟空さん達といくつもの死線を乗り越えてきましたから!」



「…ああ、すっかり立派になったもんだ。もうオレが傍に居なくても大丈夫そうだな」



「いえ、そんな事ないです。私なんてまだまだですよ。泣き虫なのも相変わらずですし……」



「…お前が言うその涙は…ツライから流してんだろうな……」



「…え……?」



「リファ、お前は立場上、全てに対して我慢しなきゃなんねぇと思っているだろうが、そいつはすげーくだらねぇ事だぞ?」



「くだらねぇ…って、どうしてですか?」



「当たり前だろ。お前一人だけが我慢して、何かが変わった事があるのか?」



「いえ…それは……でも、この先変わったら良いなぁとは思います……」



「多分、変わるのはお前の精神状態だけだ。我慢が限界に達しようとしていたから、無意識のうちに此処に来ちまったんじゃねぇかって、オレはそう思うがな……」



「そっか…もしかしたら、バーダックさんの仰る通り、此処に来れたのは…私の気持ちそのものだったんだ……」



「…なに?どういう事だ?」



「私はきっと、心の拠り所が欲しかったんですよ……」








私を大事に育ててくれたバーダックさん…



どんなに好きだと叫んでも、彼は私の傍には絶対に居られない人。



でも、私が居る地球には、彼にそっくりな悟空さんが居る。



時々悟空さんを、彼と重ねて見てしまう時があって……



でも彼にそっくりな悟空さんの隣には可愛らしい奥さんが居て……



その度に、涙が止まらなくなるんだよ…



私の隣に…バーダックさんが居てくれたら良いのになって……









「心の拠り所、か……」


(なるほどな…やっぱりカカロット絡みってワケか…そいつは、何とか出来ねぇものなのか……)



「情け無いですよね…結局は私…何か逃げているみたいで……」



「女ってのは面倒な生き物だな……仕方ねぇ。まあ、何もねぇところだがゆっくりしていけ」



「あ、ありがとうございます…すみません、ご迷惑をおかけしてしまって……」



「…別に迷惑だなんて思っちゃいねぇよ。ほら、お前の好きなゆで卵だ」



「わああ〜っ!懐かしのうで卵っ!!ありがとうございます!ふふっ…美味しそうですね!!」



「そういや、殻は自分で剥けるようになったのか?」



「…バーダックさん、私はもうそこまで子供じゃないですよ?殻くらいちゃんと剥けます!ん〜…とってもおいしーです!」




「……………」






「ん……?」







「……………」





「あの、バーダックさん…?どうかされたんです…?」




「お前なあ……そういう事は口の周りについてる卵の黄身をどうにかしてから言いやがれ。全く説得力ねぇじゃねぇか……」



「…え、そんなについてます?」



「…ほら、取ってやるからこっち来い。本当にお前は何も変わってねえな……まあ、その方がオレは……」



「…え、何ですか?」



「いや、何でもねぇよ……」











段々と大人になって…



いずれは誰か他の野郎の女になって、オレから離れていく……



本当は引き止めてぇなんて、言えるわけがねぇだろうが……



オレは…お前のただの里親に過ぎねぇんだからよ……



娘同然に育ててきたお前を、女として意識しちまうなんざ、どうかしてる……



そんな事…許される筈がねぇ。



お前が…カカロットと結ばれてさえすりゃあ、オレも諦めがついていただろうにな……



だが、お前は…いや、コイツもきっと運命のいたずらなんだろう……







「バーダックさん…?どうかされたんですか?」



「…いや、何でもない。そういえば、今地球では何が起こってる?」



「バーダックさんはその後の出来事をご存知ではないですもんね。えっと、私が一番驚いたのは……」



「何っ!?フリーザの野郎が生き返っただと…!?アイツはカカロットに…いや、ベジータ王子の息子に倒されたんじゃなかったのか?」



「そうなんですけど、最近力の大会っていう宇宙対抗の武道大会がありまして…その大会にフリーザさんも第7宇宙の代表戦士として出場してくださったんです」



「第7宇宙…?ま、まあそれは良いとして…あのフリーザが代表戦士になっただと?よ、よく承諾しやがったな……」



「悟空さんがね、フリーザさんの居る地獄へ行って、一日だけ地獄から出してあげるから、その代わりに大会へ出場するようにって交渉されたんです」



「…そしたら、フリーザの野郎は何て…言ったんだ?」



「条件を更に突き付けて来られました。フリーザさんは、自分を生きかえらせる事が出来るならば、大会に出場しても良いと……」



「なるほど……やはり一筋縄ではいかなかったわけだな……」



「ですがその大会、負けた宇宙は即消滅という残酷なルールがあるので、当然負けるわけにはいかなくて……」



「ちょ…ちょっと待て!負けたら宇宙が消滅ってどういう事だ!?」



「この世には、全王様という全ての頂点に立たれるお方が存在しておりまして…そのお方の手にかかれば、宇宙なんてあっという間に消えてしまうそうです」


「お、おっかねぇな…全王か…いや、聞いた事あるかもしれねぇ……」



「私達は究極の選択を迫られていました。フリーザさんの条件に応じ、全力で勝ちを取りにいくか、彼の力に頼らず、自分達の可能性に賭けるか……」


「だが、宇宙が消滅するかもしれねぇっていうリスクを背負って闘うなら、フリーザ一人を生き返らせる方がまだマシだと思うがな……」



「皆さんもバーダックさんと同じ意見でした。結果、フリーザさんの蘇生は大会後に第7宇宙が残っていればという条件で収束しました」



「で、結局どうなった?お前が生きているという事は…第7宇宙とかいうのは残ったんだろ?」



「はい。フリーザさんがすごく頑張って下さったんです。悟空さんと一緒に、最後の相手に立ち向かってくださいました」



「あ…あ…あの野郎がカカロットと共闘だと!?信じられねぇ……」



「約束通り、フリーザさんは天使様に蘇生して貰ったそうです」



「アイツが心を入れ替えるとは思えねぇが…まあ、今回は評価に値するだろうな……」



「それから月日が経ち、地球にブロリーさんとパラガスさんが来られたんですが……」


「ブロリーってのは確か…パラガスの倅(せがれ)だったな。…だが、あの二人がただ当てもなく地球へ行くわけがねぇ。そうだろ?地球にはベジータ王子が居るからな」



「バーダックさんもお二人の事をご存知だったんですか…仰る通り、パラガスさんはブロリーさんに悟空さんやベジータ王子と闘うよう指示を出されまして……」



「ああ、よく知っている。パラガスはベジータ王の事を相当憎んでやがったからなあ……ま、復讐心が芽生えるのも分からなくはねぇが…息子を利用するのは間違った思考だったな」



「それは、ご本人も反省しておられるようです……」



「で、パラガスは今どこで何をしている?息子と暮らしているのか?」



「あ、はい。バンパという惑星でお二人で静かに暮らしておられるそうです。私もたまに会いに行くのですが……」



「そうか…外ではそんなに時間が動いていたんだな……お前が成長するのも頷ける」



「バーダックさんは…この星でサイヤ人お一人ですし、寂しくはないのですか?」



「まあ…大した敵もいねぇし、張り合いがねぇのは確かだ。だが、それも平和だって証拠だろう」



「この星の皆さんの事を大切に思っていらっしゃるんですね……」



「別に…そんなんじゃねぇ。オレのただの気まぐれだ。ガキだったお前を育てたのと同じようにな」



「す、すみません…あの時は本当にご迷惑をおかけしてしまって…今もですけど…でも、本当に感謝しています…!」



「…さっきも言っただろ。迷惑なら、最初からお前の面倒を見たりしねぇよ。だが、甘ったれのお前が早く一人前になれるよう、色々考えてはきた。お前にとっては、それがただのイジワルに感じちまったかもしれねぇがな……」



「い、イジワルだなんて…そんな事思ってないですよ…!」



「だが、今は違う。大して気は強くねぇが、十分世に送り出せるほどのイイ女に育ったとオレは思っている」



「私は……全然良い女なんかじゃないんですよ……」



「オレが言ってんだから間違いねぇよ。知識なら、地球で身につけていけば良い。それに、カカロットの事もお前に任せたいと思っているからな……アイツがまたバカな事しやがったら、止めてやって欲しい……」



「…………」



「リファ…?どうした?」



「なんで…そんな事言うんですか……私はずっとバーダックさんの事…慕って……」



「…またお前は……何で泣くんだよ。オレは悪い事なんざ一つも言ってねぇぞ?」



「言ってますよ!バーダックさんは私の気持ち、何にも分かってないです!」



「…はあ?じゃあどういう意味なんだ?ちゃんと口にしねぇと分かんねぇだろうが……」



「やだ!絶対に言わない!だって…言ったらもう二度と会えなくなるかもしれないから…!そんなの…私は絶対に嫌です…っ! 」



「…リファ、少し落ち着け。そんな事あるわけねぇだろ。今回だってお前が望んだから此処に来られたんだ。会えるか否かはお前次第なんじゃねぇのか?」



「違います!そういう意味じゃありません……私は…バーダックさんに突き放されるのが怖いんです……」



「…おいおい、話が飛躍し過ぎだ。誰が突き放すかよ。お前だって、オレの事を何も分かってねぇだろうが……」



「分かっています…!バーダックさんは…優しい人だから、きっと私が傷付かないように、当たり障りなく言ってくれているんだって事は……」



「な、何言ってんだ……」



「でも私はバカだから…そんなバーダックさんの優しさを真に受けてしまうんです。どんな形でも良いから、傍に居て欲しいって思ってしまうんです…!」



「…じゃあ、お前はオレの言う事なら何でも聞けるのか?」



「…どういう、事ですか…?」



「…もしもだ。オレの女になれって、オレがそう言えば…お前は言われた通りにするのか?」



「なっ…か、からかうのはやめください!!気安めの言葉なんて要りません!!」



「…別にからかってねぇ。やっぱりお前はオレの事を何も理解してねぇな。オレがいつも、どんな思いでお前と接しているのか…考えた事あるのか…?」



「どんな思いでって…バーダックさんにとって、私なんてただの頼りない子供なんでしょう!?私を女として見てくれた事なんて、一度もないじゃないですか……」



「ああ、そうだよ!オレにとってはてめぇなんざ、まだまだ子供だ!だがな、何か知らねぇがそんな一生懸命な姿を見てると愛おしく思っちまうんだよ!!」



「え…愛おしくって…うわっ!!」




ーーギュッ……!





「ば、バーダックさん……?」



「リファ…あんまりオレを煽るな…このまま二度と帰れなくなっても知らねぇぞ…?」



「…それでも…構いません…だって私は……っ!」



「…バカ言うなよ。お前が此処に残るという事は、てめぇ自身の使命を放棄するっつー事だ。そんな事、お前には出来ねぇ筈だろ……」



「そ、それは……」



「あの時、お前は泣きながらオレに言ったじゃねぇか。苦しくなる度に思い浮かぶのは、地球での事や仲間達の事だって。そんなヤツらを見捨てる事は出来ねぇんだって。だからオレは…お前を引き止めなかった。それがお前にとって、一番良い選択だと思ったからだ」



「………っ」



「リファ…オレは別にお前を傷付けたくてこんな事を言ってるんじゃねぇぞ」



「それも…よく分かっています…バーダックさんは、全部私の為を思って言ってくださっている事も……」



「…じゃあ、何が気に入らないんだ?」



「気に入らないんじゃないんです!でもっ!私はバーダックさんと一緒に居たいんです…!勿論、使命も放棄したくない。地球のみんなも大好きですから、早く帰りたいとは思います……」



「はあ……?」



「…じっ、自分でも物凄くワガママな事を言っている事は承知しているんですけど……」



「…ああ、そいつはタチの悪ぃワガママだな。オレが表立って協力出来ねぇって事は、お前だって分かってんだろ?」



「わ、分かってます…ごめんなさい……!でも、どうにもならなくても、どうにかしたいんです!」



「…ったく…余計に分かんねぇよ。けどまあ、仕方ねぇよな。お前が思う存分ワガママを言える男なんざ、オレ以外どこ探してもいねぇだろ……」



「す、すみません……」



「さっきも言ったが、二度と会えないわけじゃねぇ。今回みてぇに強く願えばまた此処に来れる筈だ。上手くいかねぇ時は…オレが迎えに行ってやる」



「え、でも…どうやって?」



「そいつは…お前が一番よく分かってるんじゃねぇのか?」



「あ……」



「その代わり約束だ。ツライ時は我慢なんかしねぇでオレを頼れ。慰めるくらいはしてやる」



「本当に…良いんですか…?また会いに来ても、突き放したりしない…?」



「…………」



「…?バーダックさん?」



「はぁー…お前なあ…オレの言った事全っっ然理解してねぇだろ……?」



「…へ?分かってますよ!昔みたいに頭をポンポンして、ぎゅーっとしてくれるんですよね?」



「…お前、やっぱりまだまだガキだな…色々と無知過ぎるんだよ」



「なっ…!失礼ですね!!もうちゃんとした大人です!!」



「ほお…大人ねぇ……そいつはどの口が言っているんだ?」




ーーぶにゅっ!!



「ちょっ…!頬っぺたつねらないでくださいよ〜!!」



「まあ…出来れば、そんな事にならねぇのが一番良いんだろうがな……」



「はい!今度はちゃんと笑顔で会いに来ます!!バーダックさんに心配ばかりかけてばかりじゃダメですもんね!!」



ーーぐしゃっ!



「わわっ!!」



「バーカ…余計な気ぃ遣ってんじゃねぇ。会いたいと思ったらいつでも来い」



「バーダックさん…ありがとう……」













私の小さな恋心は、やがて冷たい雪混じりの風にさらわれて、どこか遠くへ行ってしまった。



僅かに光りを放っていたのは、ほんの少しでも存在を示したかったからなのかな……



私は此処に居るんだよ。本当は帰りたい場所があったんだよって……



今、自分がどこへ向かっているのか分からなくて、不安で仕方がないんだろうけれど、私はキミを探す事は出来ない。


もしキミを掴んでしまえば、キミは完全に消えてしまう。



あの人は、愛すれば愛すほど、遠くなる存在だから。



私の小さな恋心、いつかまた…大きくなって私の所へ戻っておいで……



私も、キミを受け入れられるくらい、大きくなるから。



その時まで、しばらくお別れだね…




Clap Message byバーダック 
クリスマスver.





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