Clap byブロリー クリスマスver.
「おーい!!ブロリーさん!!」
「…お前、あの時の……オレに優しくしてくれたヤツ」
「はいっ!リファです。覚えてくださっていたのですね!!嬉しいです!」
「あの時は助かった。ありがとう…ございま…いや…さ、サンキュー」
「ふふっ…だいぶ言葉もフレンドリーになってきたみたいですね」
「チライやレモがたまに遊びに来て、知らない事をいっぱい教えてくれるからな…オレは新しい事、もっと知りたい」
「でも、こんな何もない所で…寂しくないですか?」
「オレなら大丈夫だ。小さい頃からずっとここで暮らしてる。お前もたまに来てくれるしな…それに、お父さんも居る…問題はない」
「パラガスさんもお元気ですか…あれからお身体は変わりないですか?すみません…私が余計な事をしてしまったので……」
「お父さんは大丈夫だ。生きているだけで…それだけで良い。どんなに酷いことをされても、お父さんはたった一人の家族だから…小さい頃、星流しにされたオレを迎えに来てくれた事、オレは一生忘れない」
「まさかっ……今でも強要を?」
「今は…違う。ここで静かに暮らしている。お父さんも分かってくれたみたいだ。今はよく気にかけてくれている。全部お前達のおかげだ。特に、お前には世話になったな……」
「い、いぃえ…私は何も……」
「それで、今日は一体何の用で来たんだ?」
「あ!そうだ!あの、良かったら"くりすますパーティ"に参加しませんか?」
「…くりすます?何だそれ…何か異世界の言葉か?」
「えっと、くりすますっていうのは…鳥を揉むんじゃなくて…と、とにかく!大切な人と過ごすありがたい日なんだそうです!」
「地球とかいう星ではそんな日があるのか。知らなかったな……」
「それで、一日だけでも良いので地球に来ませんか?」
「…え、オレが地球に…?」
「はいっ!ブロリーさんが食べた事のない美味しい食べ物もたくさんありますよ!それに、みんな優しい人ばかりですし、どうですか?」
「…お前からの誘いだから行きたいんだが…オレが行って、迷惑じゃないか?」
「え、迷惑って?」
「この前、オレが行ったせいで地球がめちゃくちゃになった。また、壊してしまうかもしれないだろ……」
「いえ、そんな事……」
「お前にケガをさせてしまってはいけないからな……」
「そんな事ないっ!あの時は小さい頃から抑え付けられていたせいで、自分の気持ちが爆発してしまっただけですよ!」
「…オレは、今でも理性が無くなると暴れてしまう。やはり、オレは生まれながらの悪魔なのかもしれない……」
「…もし本当に悪魔なら、千切れてしまったバアの耳を腰巻きにしますか?その子の事を忘れないようにって…ずっと大事につけたりしますか…?」
「…それは……」
「それって…、貴方にも心がある証拠だと…そうは思いませんか…?」
「…………」
「…ブロリーさん、私は…貴方にご自分を蔑ろにして欲しくないんです。こんなにも…相手の事を想える優しいお方なのに……」
「…お前は…何故そこまでオレの事で必死になれるんだ?」
「そんなの決まってるじゃないですか。貴方は私のお友達だからです!」
「…?おともだち……?」
「もっとも…私が一方的にそう思っているだけで、貴方にとってはご迷惑かもしれませんが……」
「いや…そんな事は……」
「でも!ブロリーさんが完全に心を開いてくれるまで、ずっと待ちます!…もしダメでも、その時は全力で受け止めますから!」
「ダメだ…全力で受け止めるとケガをするぞ……」
「ご心配には及びません!私だけではありません!その時は悟空さんも混ざってくれます!」
「ゴクウ…?ああ、あの時のサイヤ人か。カカロットといったな…アイツの事は嫌いじゃない……」
「悟空さんなら、きっとブロリーさんの支えになってくださると思いますよ。戦闘マニアなので、組み手を誘って来られる時もありますが……」
「…そうか、お前が言うならその通りなのかもしれないな。わかった。その日だけお前と一緒に地球に行く」
「ほ、本当ですか?」
「ああ、今度はお父さんの復讐の手伝いの為ではなく、自分の意志で行きたい」
「…あ、あの、自分から誘っておいて何なんですが…地球にはベジータ王子も居りますけど、その…お気を悪くされないでしょうか…?」
「…いや、オレはもうベジータの事を恨んではいない。元々酷い事をしたのはアイツの親だ。子供は関係ない」
「で、ですが…」
「それに、ベジータだって守るべき大切なものがある。それを壊す権利など、オレにはない。たとえお父さんにもう一度やれと言われても、オレはもう二度とやらない」
「よかった…やはり、ブロリーさんならそう言ってくださると思っていました……」
「…ああ、オレにも大切なものが、もう一つできそうなんだ……」
「ブロリーさんの大切なもの…?一つはバアとその子の耳ですよね?もう一つは…何だろう…?パラガスさんですか?」
「お父さんも大事だ。だが、それよりも大事にしたいのは…リファ、お前だ」
「私……?」
「お前は、今までオレに欠けていた色んなものを与えてくれた。"あいじょう"とは何なのか、教えてくれた。だから、オレもお前に何かを返したいと、ずっと考えていた。それで、一つだけ思いついた」
「返したいって…そんな事気にしなくても良いのに…でも、ブロリーさんがそう仰るのなら……」
「オレは力には自信がある。だから、お前が危険な目に遭わないよう、全力で守る」
「守って…頂けるんですか?でも、闘いはお好きではないと……」
「…お前の為なら構わない。これほどにも誰かを守りたいと思ったのは初めてなんだ。ソンゴクウが居ない時でも良い。アイツの代わりに守らせてくれ。だが、無理にとは言わない……」
「一つ…約束して欲しいんです」
「…なんだ?」
「絶対に無理はしないでください…命あっての物種です。もし、ブロリーさんに何かあったら…わたしっ……」
「…分かった。約束する。無理はしない。お前を悲しませるような事は絶対にしない」
「本当に…約束ですよ?じゃあ…はい!」
「…?…その小指はなんだ?」
「約束の証で指切りげんまんと言います。二人の小指を絡め合わせて、歌に合わせて縦に振ります。歌が終わった後、お互いの指を離すと成立します。はい、小指出してください」
「…こうか?」
「はいっ!ではいきますよ!」
〜♪
ゆ〜びきりげんまん〜
ウソついたら針千本の〜ます!
ゆび切った!
ーーぴっ…
「はい、これで大丈夫です!」
「…それ、オレも聞いた事がある。この前チライから教えて貰ったヤツに似ている」
「へえー、チライさんが?」
「でも、意味が違っていた。アイツはゆびきりは"えいえんのあいをちかう為にやるもの"だと言っていたが…それは正しいのか?」
「えぇっ!?永遠の愛…!?そ、そうだったんですか!?全く知らなかった……」
「オレは、今お前とゆびきりをした。だから、お前に"えいえんのあい"をちかってもいいのか?オレはリファの事が好きだ。これからも"あい"を与えていきたい……」
「なっ…!?す、好きって…!」
「…?どうした?顔が真っ赤になっている。どこか悪いのか?」
「あ、いえ…大丈夫……」
「…大丈夫じゃない。家の中に入れ。どこが悪いかオレが見る……」
「ちょっ…大丈夫ですって!見るって…一体どうするんですか!?」
「この世界には"おいしゃさま"という偉い人が居ると聞いた。身体を見るだけでどこが悪いのかが分かるらしい」
「ま、まさか…ブロリーさん、そのお医者様になろうとしてるんじゃ……」
「ここには"おいしゃさま"はいないからな……心配ない。オレが絶対に治してやる」
「心配大ありです!それはまだ心の準備が…!ていうか、とりあえず降ろして頂けませんか!?」
「お前を守るって約束した。今は離せない」
「そのお約束は今は全く必要ないです!!」
ーーガチャッ!
「…ん?ああ、ブロリー帰ってきたのか」
「えっ…ぱ、パラガス…さん?」
「おおっ!リファ様もご一緒でしたか!ようこそお越しくださいました!」
「…こ、こんにちは……」
パラガスさん居たんだ!!い、いつから居たの!?ま、まさか最初から……
「お父さん、リファの具合が悪いから少しだけ部屋を借りるぞ」
「い、いえ!私はどこも悪くないんですよ!本当に元気なので……」
「あー、構わんよ。後で飲み物と菓子を持っていこう…いや、二人の邪魔をしてはいかんな。腐☆腐っ♪ごゆっくり……」
「ちょ…まって…違うんですってば!!パラガスさん、ブロリーさんにちゃんとご説明を……!」
おのれぇ…!何が『腐☆腐っ♪』だぁああ!!笑い事じゃないんだよ!そこは全力で邪魔してくれて構わんのだぞ!!
「…リファ、だ、大丈夫か?耳と鼻の穴から湯気が出ている……」
「ええっ!?うそ!!」
「心配するな、オレが必ず何とかしてやる。お前はえいえんのあいをちかった相手だ。簡単には死なさん……」
「いやあの…ほんとに大丈夫ですって……」
(その頼もしいお言葉に、嬉しくて逆に昇天してしまいそうです……)
「おお!ブロリー!ついにリファ様に永遠の愛を誓ったのか!?ようやく、悲願は達成されたのだな。では、今夜は豪華な夕食でもいかがかな?」
「豪華な夕食は嬉しいですが…ち、違うんです!ブロリーさんは何か勘違いをされていまして……」
「勘違いなどと、ブロリーに限ってそのような事があろう筈がございません。フッ…心配する事はない。ちゃあーんとお赤飯も炊いてやるぞ!」
「話を聞いてくれーー!!」
「リファ、えいえんのあいをちかう事はご馳走が出るほど大切な事なのか?」
「ま、まあ…間違いではないんですけど…時と場合によるっていうか…ははっ……」
何て答えれば良いのか分からないんですが!!
…え?この後どうなったかって?
本当にお赤飯を炊くような関係になったと、誰もが思う事だけど……
「あの…ブロリーさん…診察というのはもしかしてこれの事ですか?」
「静かにしていてくれ!集中できん!」
「…あ、はい……」
「ふう…ほら、大物が取れたぞ……」
「ほんとですか!それは良かった…どれどれ…うわあ…ほんとだー!!」
診察って耳掻きの事だったのかぁああ!!何か変な想像していた自分がめちゃくちゃ恥ずかしくなってしまったじゃないの!!
「リファ、まだ残っているから、早く膝に頭を乗せてくれ」
「あ、はい…では……」
しかもブロリーさんの膝枕がオプション追加だよ……
時々耳に息を吹きかけられたりするから、全然落ち着かないんだけども……
でも、何か純粋に嬉しそうだし……
まあ、今はこのままでも良いかな。
どうやらブロリーさんが恋愛というものに興味を持つようになるのは、まだまだ先のようです。
何も知らない純粋な彼の、ストレート過ぎる言葉にいつもドキドキさせられて、心が慌ただしいけれど……
でも、そんな彼でもいつか本当の意味を知る時がやって来る筈。
もし、その意味を知った時…彼はどんな反応をするのかな……
それでも…私を愛してくれるのかな?
たとえそうでなかったとしても、私はずっと貴方の支えになります。
ずっと、いつまでも……
「ふあーっはっはっはっ!いいぞぉ!そのままやってしまぇえ!!」
「…………」
いやいや……
それより、さっきからずーっと気になっていたんだけど、ドアの隙間からパラガスさんがニヤニヤしながら覗いていらっしゃるんですが……
自分のマントを頭からかぶって白い壁に擬態しているつもりだろうけど、バレバレなんですよ!!
声もバッチリ聞こえていますからね!
でも、ブロリーさんは気付いていないみたい……
そっか…これも愛情表現のうちの一つなんだ。パラガスさんも、ブロリーさんの幸せを願っておられるのですね…
色々あったけど、パラガスさんは昔からブロリーさんの事を大切になさっていましたし……
ブロリーさんもまた、そんなパラガスさんに感謝しているみたいで……
家族の絆って素敵だなあ……
これからも、お二人でずっと仲良く暮らしてくださいね!
Clap Message byブロリー
クリスマスver.
(分かる人には分かるネタをひたすら詰め込んでしまいました…すみません。ブロリー篇は本編でも書くつもりです!まだまだ先になりますが……)