Clap by 孫悟空 クリスマスver.
「オッス!リファ、久しぶりだな!元気にしてっか?」
「あ!悟空さん、お久しぶりです!私は元気ですよ!悟空さんはお元気でしたか?」
「ああ、オラも元気だぞ!今日もベジータと修業して、ブルマん家がめちゃくちゃになってよ、偉ぇ怒られちまった」
「…え、ブルマさんのご自宅で修業なさっていたんです?」
「へへっ、まあな!そしたらよ、『せっかくパーティの準備してたのに、全て台無しじゃない!』って偉ぇ怖ぇ顔してさー。アイツ、そのうちシワが戻んなくなっちまうぞ」
「悟空さん……女性にお肌の事を指摘するのは厳禁ですよ……デリケートなんですから」
「え、そうなんか?でも、アイツ多分ちょこちょこドラゴンボール使って若返ぇってんぞ。あん時反論しなかったかんな!」
「ああ、仰っていましたね…ですが私思うんですけど、毎回ドラゴンボールで願うなら、いっそのこと不老にして貰った方が良いのではないですか?」
「言われてみりゃ、その通りだよなー。ま、ブルマは変なとこ抜けてっから、そんな事には気付かねぇんだと思うぞ!」
「…結局、フリーザ軍は何の為にドラゴンボールを集められていたのでしょう……」
「さあな…アイツの事だ。また余計な事を企んでんだろう…ま、そうなった時はオラがちゃんと止めに行くけどな!」
「さすが悟空さん、頼もしいですね!」
「へへへっ!まあな!」
「あ、そうだ!今度、ブロリーさんに会いに行きましょうよ!あの人には本来の人格を取り戻して欲しいんです」
「そうだな…闘ってる時、何となく分かってたんだ。アイツは悪ぃヤツじゃねぇ。好きで闘ってるワケじゃねぇってよ……」
「しばらく無駄な闘いをしなければ、情緒は安定すると思いますか?」
「多分な。アイツにはまず大切な存在が必要だと思う」
「大切な存在…という事は、お友達という事ですか?」
「ああ、そういう事だ。まず信じられる仲間が居ねぇと話になんねぇかんな」
「じゃあこの時期が丁度良いのではないですか?ブルマさん主催の"くりすますパーティ"もあるでしょうし、ブロリーさんをご招待しましょうよ!」
「なあ、その"くりすます"っちゅうのは一体ぇ何なんだ?特別な日らしいんだけんど、おめえは何の事か知ってんのか? 」
「えっと、私もブルマさんから聞いた話なのですが…家族とか大切な人と、とぅりーを揉むんだそうです」
「本当か!何か変な日だな…ところで、そのとぅりーっちゅうのは何だ?」
「とぅりーは…何だろ…鳥…かな?」
「じゃあ、大切なヤツと鳥を揉む日なんだな?けど…やっぱ変な日だよな…」
「全然違うわよ!!どこをどのように聞いたらそんな解釈になるわけ!?」
「…あ、ブルマさん!」
「よおブルマ!準備は順調か?」
「なーにが『順調か?』よ!!人様ん家を全壊しておきながら、随分とお気楽なものね!!ほんっとサイヤ人は手加減ってものを知らないのかしら!」
「手加減なんてしちまったら修業になんねぇぞ……」
「アンタ達はそれで良いかもしれないけど、此処にはか弱い人間が居る事を忘れないでちょうだい!!やるなら地球以外の場所でやりなさい!ビルス様の星とか、色々あるでしょ!?」
「そんな事言ったって〜…今日地球に居ろって言ったのはブルマじゃねぇか〜……えと、何とかっていう日だからって…リファ、何だっけ?」
「鳥を揉む日です」
「だから全然違うのよ!クリスマスよクリスマス!!鳥は揉むんじゃなくて食べるの!ご馳走よ!」
「えっ!?鳥を食べるんですか!?揉むのではなくて?」
「一体何を聞き間違えたのかしらね…あ、もしかしてモミの木のモミと揉むとを間違えたのかしら?」
「揉みの木?」
「いや…揉みじゃなくてモミ。クリスマスの日は、大切な人とモミの木のツリーを飾って愛を分かち合う日でもあるのよ」
「へぇ〜…そんな意味があったなんて……ちょっと惜しかったですね!ね、悟空さん!」
「い、いや…全然違ぇと思うけど…」
「じゃあ、 私は準備に戻るけど、今回はパーティに参加しなさいよ!?特に孫くん、分かったわね?」
「わ、分かってるよ…ちゃんと行くさ!」
*******
「モミの木っていうのが必要なんですね…どんな木なんだろう……」
「さあ…オラにも分かんねぇ…その辺の木じゃダメなんか?」
「…そうですね…大事な人と過ごす為に飾るものですから、恐らくは神聖な意味を持つんだと思いますけど……」
「もしかしたら、それだけじゃねぇかもしんねぇぞ!何かすげぇ力があるとかよ!!」
「たとえば…クリスマスの夜にだけ氷の果実が実るとか…ですか?」
「木が空に向かって偉ぇ伸びたりってのもあるかもなっ!」
「その先に、クリスマスの神さまがおられるのかも……」
「そんでもって、すげぇ強かったりすんのか!?」
ワクワクすんなぁ!!オラ、そんなヤツに会ってみてぇぞ!!
「悟空さん…仮にいらっしゃったとしても、闘いたいだなんて言わないで下さいよ……」
「分かってるって〜!!オラだってそんな事しねぇよ〜!!挨拶くらいはちゃんとするさ!!」
「…でも、サイヤ人にとってのご挨拶って、闘う事でしょう?」
「おおー!さすがだな!オラ達の事をよく分かってんじゃねぇか!!」
「だ、ダメですよ!それはサイヤ人特有のご挨拶です!地球ではそんな事しませんからね!私、あの時は本当に生きた心地がしませんでしたよ…悟空さん、よく破壊されませんでしたね……」
「そ、それは…ははっ…確かにあの時はたったの二発でやられちまったもんな…やっぱビルス様は強ぇよなあ……」
「…でも、悟空さんだって負けていませんよ!今では超サイヤ人ブルーにもなる事が出来ますし……」
「う〜ん…でもなあ…ブロリーを相手した時も、結局は一人じゃ全く歯が立たなかったしよ…やっぱオラ、もっと強くなんねぇとダメだ!!」
「ふふっ、やはり悟空さんらしいですね。私はあなたのそういう所、とても素敵だと思います」
「へへっ!おめぇに褒められっと、何かくすぐってぇぞ!」
「でも、無理はしないでくださいね?悟空さんもベジータ王子もすぐに無茶をなさるので…私、すごく心配で……」
「じゃあ、おめぇが一緒に居てくれねぇか……?」
「へ……?」
「オラが無茶しねぇように、おめぇが見張っててくれよ。リファが傍に居てくれたらオラ、絶対ぇ危ねぇ事しねぇからさ!」
「えっと…は、はい。分かりました!私めが監督致しましょう!!」
「いいっ!?ほ、ほんとに良いんか?」
「…え……な、何ですか?何でそんなに驚きます?」
「だっておめぇ…いっつもベジータのケツばっか追っかけてっから……」
「んなあっ!?何て事言うんですか!な、何かそれ、私が変質者みたいじゃないですか!!」
「…へ?違ぇんか?」
「お、おぉお…お尻が好きなわけじゃないですよ!ベジータ王子って普段クールで誰も人を寄せ付けないでしょう?だから、少しでも仲良く出来たら良いなと思って、見つけたら声をかけるようにしてるんです!」
「なーんだ!そういう事か!いや、ちょっと待てよ…それって、ベジータの事が好きっちゅう事じゃねぇのか!?」
「え?いや、そういう意味ではなくて……」
ーーガシッ!!
「ひぇっ!!」
「アイツよりオラの方がおめぇん事好きだぞ!!それだけは何があっても絶対ぇ譲れねぇ!!」
「わ、分かりましたから肩を揺らすのやめて頂けませんか!!速すぎて突風が吹いています!」
****
そして数分後ーー。
「なあリファ…パーティが終わった後、時間あるか?」
「いえ、特にありませんけど…何か私に用事ですか?」
「いや…別に用事とかじゃねぇんだけど…何か、おめえと一緒に居たくなってよ……」
「私と…?でも悟空さん…パーティが終わったら、ご恒例の修業をされるのでしょう?」
「いつもならそうだったよな…けど、今日は何とかっちゅう大ぇ事なヤツと一緒に居る日だろ?だから、今日だけは修業はナシにする!」
「ご、ごくう…さん……うわっ……!」
ちょっと待って……
今すっごく良いとこなのに……
めちゃくちゃ良いとこなのに…!
…そうだよ……
ついさっき、悟空さんが巻き起こした突風のせいに違いない!!
ガラスに映っている自分の前髪がものすごい立ち上がってるんだけど!!
これはもう芸術品だよ……
サイヤ人のように激しい運動をしてもセットが崩れないという夢のアイテム
【うーの】をつけた後のようなこの完璧な仕上がりは一体何なのだろうか!!
ていうか、よく悟空さん笑いませんね!!
いや、寧ろ気付いて欲しい…そして直してくれた方がありがたい……
だって…このままじゃムードもクソもないじゃないか……
「オラ、おめぇん事は一番の仲間だと思ってる。だから、一緒に居てぇ」
「え…いや、しかしですね……」
(いやいや、本気ですか……前髪がトイレブラシみたいにすごい事になってるけども…こんなのと本当に一緒に居たいのかね?キミは……)
「…すまねえ。おめえを困らせるつもりはねえんだけどよ…へへっ、めぇったな…自分でもよく分かんねぇんだ。でも、他のヤツとは一緒に居て欲しくねぇな……」
困ってる!別の意味で困っています!!
ご安心召され!今のこの姿ではきっと誰も一緒に居てくれんだろう!!
永遠のフリータイムですぜ!!
「リファ?さっきからどうしたんだ?すげぇ顔汗かいてっけど……」
「いや、トイレブラシがそれはもうすごくてですね……」
「へ?トイレブラシ?何の事だ?掃除でもすんのか?前髪押さえてっけど…何かあんのか?」
「…いやいやいや!!何でもございません!!その…悟空さんさえ宜しければご一緒します!!」
「ほんとか!!良かったーー!!実はよ、おめえに見せてやりてぇもんがあるんだ!」
「見せてくださるもの?何だろう…」
(まさか【うーの】かな……)
「ブルマから教えて貰ったんだけど、今日は空からの眺めが一番キレイらしいぞ!そんで、一年に一度だけしか見られねぇんだってよ!オラ、おめえと一緒に筋斗雲に乗って見てみてぇんだ」
「一年に一度しか見られない眺めを悟空さんと二人で…?それはすごい素敵ですね!是非見てみたいです!」
(とは言ったものの…流石に前髪がトイレブラシでは行けませんな……何とかしなければ……)
「そういや、初めて筋斗雲に乗った時、おめえ…落っこちそうになってたよな!」
「…えっ?ああっ!私、顔の肉も揺れてましたよね…今となっては苦い思い出です……」
「大ぇ丈夫だ。今度はオラがちゃんと支えといてやっから、おめえは初めて見る世界をしっかり見とけ」
「そ、それは心強いです…!」
(で、でも…それってかなり密着するって事よね…私の心臓保つかな…いやいや、そんな事よりまずは前髪を……)
「オラ、おめえにもっと下界の事を知って貰いてぇんだ。全て片付いたら、また色んなとこに行こうな!」
「はい!勿論です!ご一緒させてください!!」
「んじゃあ、とりあえずブルマんとこ戻るか!」
「ええっもう!?ちょっと待って!!トイレブラシでは行けません!!」
「…リファ、さっきからどうしたんだ?トイレブラシが欲しいんか?」
「い、いえ…そういうわけでは……」
「ははーん…おめぇ何か隠しってっだろ?言わねぇと脇腹こちょこちょするぞ?」
「いやいや!!やめてください!!あ!そうっ!そうだ思い出した!悟空さん、そういえば一つ気になった事があるんです!」
「…気になる事?なんだ?」
「悟空さんって、超サイヤ人になっている時は筋斗雲に乗れないんですか?」
「え、さぁ〜…やってみた事ねぇから分かんねぇな……試してみっか?」
「よろしいんですか?是非お願いします!」
「筋斗雲よ〜い!!!」
「来た来た!筋斗雲、随分久しぶりだな!元気だったか?」
「久しぶりに悟空さんに会えて、筋斗雲も嬉しそうですね!」
「じゃあ、まず通常で乗るぞ。……当たり前ぇだけど、いつも通りだな」
「では、このまま超サイヤ人に変身すればどうなるんでしょうか……」
「はぁあっ!!」
ーーボゥッ!!
「…………」
「…………」
「……あり?」
「な、何も…起こりませんね……」
「うーん…筋斗雲も、オラだって分かってるっちゅう事なんかな?」
「悟空さんは、筋斗雲とは長いお付き合いですし…だとすれば、超サイヤ人は関係がないのかもしれませんね……」
「筋斗雲っ!おめぇ、なかなかやるじゃねぇか!やっぱタダの変な雲じゃなかったん…どわぁああっ!!」
「え…ええっ!?ちょっ…悟空さん!大丈夫ですか!?」
「いちちち…な、なんだ……?」
「やはり、超サイヤ人に変身すると問答無用で突き抜けるみたいですね…何たる無慈悲……」
「そ、そりゃあねぇだろ…筋斗雲、オラとおめぇの仲じゃねえか……」
「あれ…?でもおかしいですね…今あからさまに悟空さんを叩き落としたように見えたんですが……」
「叩き落としたって…どういう事だ?」
「もしかして…筋斗雲には感情があるのかもしれませんね……私達の言葉もちゃんと理解しているようなので特に驚く事でもないのですが……」
「いぃっ!?それじゃあ、オラ…筋斗雲を怒らせちまったって事か?」
「いえ…それは何とも…よく分かりませんが、修業次第では超サイヤ人の状態でも筋斗雲に乗れるようになると…そういう事でしょうか……」
「超サイヤ人をもっと極めよ。壁を越えさえすれば、今まで見えなかった新しい何かが見えてくる」
「…ん?リファ、おめぇ今何か言ったか?」
「いいえ、何も言っていませんが…」
「…っちゅう事は、オラはまだ筋斗雲に認めて貰えてねぇって事か…よし!また明日から修業だな!!」
「新たな目標が出来ましたね!私も早く力が戻るように頑張らないと!」
「ああ、これからも一緒に頑張っていこうな!」
来年も新しい目標に向かって
歩んでいけたらいいな。
勿論、悟空さんと一緒に…
「…ん?うおっ!!リファ、おめぇの前髪すげぇ事になってっぞ!!はははっ!ス◯オみてぇだな!」
「………」
おいおい!今更かいっ!!
変に前髪を押さえていたから、余計に髪型が変形しちゃったんだ……
スネちゃまですか…流石にキツイな…
こんな時こそ【うーの】をください!
Clap Message by孫悟空
クリスマスver.
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