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気配りの利いた家





「筋斗雲さん、今日もありがとうございました。明日もまたよろしくお願いします」



自宅に到着し、筋斗雲からゆっくり降りると、自分の乗っていた箇所を軽く撫で、礼を言った。


すると、筋斗雲はリファの手を自身の雲で覆い、別れを惜しむようにゆっくりと飛び去って行った。



「さ、てと……ごはん食べよっかな!」


うーんと伸びをした後、家の扉をガチャリと開ける。


部屋の明かりをつけ、持っている荷物を一旦ちゃぶ台の上に置き、素早く洗面所へ向かった。


そして、手洗いとうがいをし始める。


ごく一般に見られる光景。戸惑う事なく行動している事から、だいぶ下界での暮らしにも慣れてきたようだ。


因みに、この家はブルマから特別に用意して貰ったものらしい。


詳しくはまた別の場で語られるだろう。



「今日もブルマさんに色々頂いちゃったなあ……」


洗面所から戻ったリファは、ちゃぶ台の前に座り、大きな荷物を覗き込む。


その正体は、全てブルマから貰った物のようだ。中には、約一カ月間十分な生活が出来るくらいの日用品がギッシリと詰まっていた。


いくら慣れてきたとはいえ、一人で暮らすとなると色々不便な事も多いだろうという、ブルマなりの心遣いである。


今日の晩御飯はエコノミータイプの食事らしい。プレートにハンバーグに目玉焼き、ポテトサラダ、その他付け添えの野菜がキレイに盛り付けられている。


この家には火を扱うものが一切ない。ブルマ曰く、自炊はもう少しこの生活に慣れてからにした方が良いとの事だ。


これも、一人暮らしをするリファの安全を考慮した上での判断らしい。



「わあっ!美味しそう!いただきます!」



満面の笑みで両手を顔の前で合わせ、フォークを握る。



「この茶色ひ丸ひ食べ物はおいひー!」



どうやらリファのお気に入りはハンバーグらしい。口一杯に頬張る顔がとても幸せそうだ。



そんなにたくさん口の中に入れてしまうと、喉を詰まらせてしまうのではないだろうか。



「むぐぉおっ!!」



案の定であった。



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