謎の異星人戦士 前編 ーーーーーー ーーーーーーーー ーーーーーーーーーーー 一方、リファが居る町から遠く離れた場所で、何やら不穏な空気が漂っていた。 「な、なんだありゃあ…い、隕石か?UFOか!?」 その原因は、突然空から降ってきた不思議な球体の物体にあった。 農作業の途中だった一人の男がそれに気が付き、ぼーっと空を眺めている。 だが、それはやがてドーンと激しい衝撃音を立てて地上へ墜落し、かなりの地響きを起こした。 「な、何が起きたんだ……?とりあえず行ってみっか!」 気になった男は、直ぐさま軽トラックを走らせ、慌てて墜落現場まで向かう事にした。 「う…うはあ〜……!」 到着したそこの地面は大きく陥没し、シューっと煙が上がっている。 男が言ったように本当にUFOなのか、それとも何かの部品だろうか。 興味津々な男は車から降りると、じーっとその様子をうかがっている。 「…い…隕石じゃねえぞ……」 所々装置のようなものもついている事から、やはりただの宇宙物質ではなさそうだ。 するとその瞬間、ウィーンと球体の一部が開き、何者かが姿を現した。 「あ…あわわ……」 現れたのは、足まで伸びた黒髪を持つ筋肉質の男だった。左耳部分には、何やら機械を装着している。何かを計測する為のものだろうか。 服装は地球人は誰も見た事がないだろう、変わった戦闘服を着ている。 そして、彼の腰には茶色い獣の尻尾が巻かれている。 これらからして、この星の者ではない事は確かだろう。 そんな彼の登場に、農家の男はかなり驚いている様子。手に持っている銃を構えるも、プルプルと身体を震わせている。 「やはりこの星のヤツらは生きていたか…あの愚か者め…何を遊んでいやがる……」 一方、その謎の長髪の男は、農家の男の姿をチラリと見るなり、鬱陶しそうに舌打ちした。そして、ジリジリと彼の方へ歩み寄る。 「わわ…!な、なにもんだおめえ!!」 当然、怖がらない筈がない。農家の男は声をも震わせながら、後退りする。 ーーピピッ…… その直後、長髪の男が左耳に装着している機械が反応した。左目のスクリーン上に数値のようなものが現れている。やはり、何かを計測する為のものだったようだ。 その数値を確認した途端、男は鼻で笑いながら、目の前の居る農家の男を哀れむように見下ろした。 「戦闘力…たったの【5】か…ゴミめ……」 そう言うなり、段々と距離を縮めていく。 「よ、寄るんじゃないっ!ぶ、ぶち殺すぞ!」 ーーバンッ! 叫び声と共に、農家の男は勢い余って発砲してしまった。 だがーー。 ーーパシッ! ーービンッ!! ーーバシィーッ!! 「うぎゃあっ!!」 それは、一瞬の出来事だった。長髪の男は農家の男が発砲した銃弾を素手で掴み取り、それを彼に向かって弾くように飛ばしたのである。 その弾く強さがとてつもない強さだった。農家の男を一瞬にして帰らぬ人にしてしまったのだ。 「ふっ…なんという脆い民族だ……」 自分が軽く弾いただけの銃弾により、遠くへ飛ばされ、生き絶えてしまった農家の男に向かって嘲笑う。 だが、どこか物足りない様子だ。 、 [*前へ][次へ#] [戻る] |