間違った解釈
ーードガアァァーーン!!
激しい爆破音と共に、大量の砂埃が辺りを舞った。
「……ひっ!!」
リファは少年を抱き締めたまま、ギュッと目を閉じた。
砂埃の中にあるだろう、その無惨な姿を見るのが怖かったのである。
「孫、オレが居る事を忘れるなよ」
「ピッコロ!?なんでおめぇが?」
「……へ?何で人の声が…」
あろう事か、その砂埃の中から何やら話し声が聞こえてきた。
あれ程の爆撃を受けて、まさか無事な筈がないだろう。リファは目を瞑りながら、そんな疑問を抱いていた。
そんな事を考えているうちに、辺りを覆い尽くしていた砂埃が晴れたようだ。
恐る恐る閉じていた目を開け、今そこにある状況を確認してみる事にした。
するとーー。
「うそ…何で生きて……」
信じられない事に、砂埃の中では当たり前のように先程の人物が立っていた。
相変わらず遠くからの為、その正体をハッキリと確認するまでには至らなかったが、それが人であるという事だけはすぐに分かったらしい。
そして、その人物は反対側に位置する階段からゆっくり下りてくる、もう一人の人物と会話をしていたのである。
「…人間って、こんなにタフだったっけ…?いや、まさかね……」
リファはもうワケが分からなくなっていた。外の世界の生き物は、これほどにも頑丈な身体の作りなのかと。
勿論そうではないが、外界の事を全く知らない彼女なら、そう解釈してもおかしくはないだろう。
「ボクのおとうさんは世界一強いんだよ」
しばらく頭を悩ませていると、側に居る少年がリファの服の袖を軽く引っ張った。
「そ、そうだね…あんなにタフなお父さんなら、分かる気がする」
モヤモヤする事がたくさんあったが、今の少年の一言で、全てを片付けられたような気がした。
勿論納得はしていないようだが。
、
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