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儘ならぬ現実






ガーリックJr.は、悟飯の強大な力によってデッドゾーンへと追いやられ、この世界から姿を消した。



ーードサッ…!



その後、悟飯の暴走はピタリと止まり、力尽きたように再びその場で倒れ込んだ。



「…う、ご…悟飯くん、カミサマ…」



同じく、全ての力を使い果たしたリファも、よろめきその場で座り込んだ。


倒れている悟飯や地球の神の元へ向かおうと腰を上げるが、身体が言うことを聞かない。


リファの表情が歪む。思うようにいかない現実に対し、悔しさが込み上げてきたようだ。


だが、彼女にはやらなければならない最後の総仕上げが残っている。


一見、全てが終わったように思えるが、まだ終わってはいないのだ。



「…早く……アレを何とか…全てがなくなっちゃう前に……」



残りの力を振り絞って腰を上げ、目の前の忌々しい風穴に立ちはだかった。


ガーリックJr.が300年という長き年月に渡って抱き続けてきた野望を、今ここで完全に消し去る為に。



「……やっぱりダメか…オーラが全く放出できないよ……」



両手を前へ出し、オーラを発動しようとするが、全く反応がない。今、彼女のオーラは全くのゼロの状態になってしまっているようだ。


普段はオーラが無限に満ちたアトラス界でAC課という部署に所属し、地味に忙しいが平和に暮らしていた為、そのような問題に差し掛かる事もなかった。


現場の経験が無い彼女にとって、対処しきれないものがあるだろう。


だが、ここで止まっていても仕方がない。彼女なりに脳内に刻み込まれた記憶を一つ一つ掘り出し始めた。


きっと何か方法があると、その僅かな可能性に賭けたかったのである。



「ラニア…タグラ……二人ならどうするのかな……」



その時、丁度頭に浮かんだのは親しい仲だったGZの二人。


優秀なGZである彼らなら、この極限状況を如何にして乗り切るだろうか。






「リファ、ちょっとお前に大事な話がある。此処に座れ」




色々と過去の記憶を掘り出してみた所、ラニアとの会話が浮かび上がった。




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あきゅろす。
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