呆気ない結末
「うわあぁぁん!!うわあぁぁん!!あぎゃあぁぁーー!!」
「…え、ご…悟飯くん……?」
だが次の瞬間、今まで眠っていた悟飯が目を覚まし、叫ぶように泣き始めた。
ただ泣き叫ぶだけではない。リファの後ろで仁王立ちし、徐々に彼の気が高まっていく。
更に、リファのオーラに自身の気を融合させる事によって、より一層パワーが強化された。
あまりの強大なパワーに、辺りに落ちている小石が宙に浮き、彼の周りでユラユラと揺れている。
そして、地面に大きな亀裂が入った。
このパワーは、悟飯のガーリックJr.に対する怒りによって目覚めたものだと思われる。
だが、今の彼は完全に理性を失っているようだ。恐らく、今彼に近付けば誰であっても敵と見なされるだろう。
「…な、何というパワーだ……」
「す、すごい……!強大な力がビリビリ伝わってくる……」
まだ幼いにも拘らずこれだけのパワーを秘めていたなど、誰もが予想だにしなかった事だ。
だが、一番驚いていたのは対峙しているガーリックJr.だった。
「…な、何だと……?あの娘といい、孫悟空の子供といい、何故わたしの力が及ばない……?」
彼曰く、デッドゾーンを前にして平然と立っていられる者は誰一人居ないのだという。
だが、それを覆す者が二人も居たという事に対し、かなりの衝撃を受けたようだ。
信じられる筈がない。仮にそうだったとしても、信じたくなかった。
ガーリックJr.は気を発動させ、それを悟飯にぶち込んだが、彼は一歩退がるだけで全くダメージを受けていない。
「小癪なあぁぁーー!!その程度の力でデッドゾーンから逃れられると思うか!!」
怒りと共に、ガーリックJr.の身体が金色に輝き、その光は辺り一帯を包み込む。それにより、デッドゾーンの風穴は更に大きくなった。
「ガアァァァーー!!」
だが、悟飯も負けじと対抗する。まるで猛獣のように吠え、身体から青い光を放出させた。
「な、何だと……!?クッ……!」
ガーリックJr.は、そのまま悟飯の身体から発せられる強大なエネルギーに押され、真後ろにあるデッドゾーンへと追いやられる。
「クッ…何度やっても同じだ…わたしは死なない…っ!永遠の命を手に入れたのだ…」
必死に踏ん張るガーリックJr.だが、やはり及ばず、ズルズルと後ろへ引きつけられていく。
「わたしの野望も永遠に消える事はない!たとえ地獄の果てまで追いやられようと、必ず這い上がってみせる!今に見ておれ!ふはははははははーーっ!!」
狂ったように高笑いしながら、ガーリックJr.は自ら作り出したデッドゾーンへと吸い込まれていった。
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