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異様な感覚






「…ん?お前はっ……!」



彼女が放つオーラにすぐに気がついたガーリックJr.は、かなり驚いた表情を向けた。


何故デッドゾーンを前にして平然としていられるのか。そして、彼女が放っている異様な力は何なのか、と。



「……え、」



一方、リファは彼の姿を見た途端に、ピタリと動きが止まった。


何やら様子がおかしい。


プルプルと身体を震わせながら、さり気なく神の方へスーッと視線を移す。



「ねえカミサマ…あの人……」




何かめちゃくちゃデカくなってません!?



今まで遠い場所から様子をうかがっていたせいか、ガーリックJr.がこのような姿になっているとは思わなかったらしい。



「アレこそが、ヤツの本来の姿だ」


「さ、左様ですか……」



出会った時は、かなり小型サイズで可愛らしいと思っていたリファ。


神に事実を聞かされ、納得はしたようだが、どこか残念そうである。



「ふはははは!何をしようと同じことだ!お前達はこのデッドゾーンから逃れる事は出来ない!」



そんな事を陰で言われている事も知らず、ガーリックJr.はやはり罵声を浴びせ続ける。



「そろそろ終わりにしてやろう!」



だが、彼も口先だけの情けない男ではなかった。


今まで散々馬鹿にされ続けていたが、いよいよ本気を出し始めたのである。



ーーゴオォォォーー!!

「ぐわっ!!」

「か、カミサマ!!踏ん張っていてください!」




デッドゾーンの威力が一気に上がり、地球の神は倒れそうになる。


それに気が付いたリファは、直ぐ様彼の方へ意識が逸れる。


この時、ほんの一瞬だけオーラを弱めてしまった事により、リファに大きな隙が出来てしまった。


そこを一気に突かれ、リファも体勢を崩す。



(…なっ、何この感覚……)



その直後、何か異様な感覚に襲われ、ズルズルと後ろへ押され始めた。


あろう事か、オーラを放出する度に、デッドゾーンに吸収されるかのように力が抜けていったのだ。


彼女の七色のオーラには癒し効果がある。対照的であるデッドゾーンがそれを吸収すればどうなるか、目に見えて分かる。


だが、彼女のオーラを吸収したデッドゾーンは穴が塞がるどころか、益々広がっていた。



「…ど、どうして……?」



予想外な展開に、リファ自身も原因が分からず、動揺を隠せない様子。


だが、今ここでオーラを解いてしまえば、全員デッドゾーンへ吸い込まれてしまう。


余力も殆ど残っておらず、リファの身体はもう限界まで達しようとしていた。



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