反省という名の幽閉
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「リファ、此処に座れ」
連れて来られたのは、書類だらけの一室。そのずっと奥に事務用デスクが置かれていた。
リファの上司は、彼女をそこへ連れて行くと、そこにある椅子に座るよう促した。
説教でもするつもりなのだろうか。
「今からお前には反省文と約10万年分の仕事を早急に片付けて貰う」
そう言うなり、彼は高く山積みになった紙をドサッとリファの前へ次々と置いていった。
「…じゅっ!10万んんん!?そんなのいつ終わるかわからないですよ!」
天井に届きそうな書類が何列にも増えていく度に、リファの顔も真っ青に変わっていく。
「こうでもせんと、お前はまた仕事をそっちのけにして抜け出すだろう?」
「…ちっ!違うんです!私はただ…会いたい人が居るだけで…それで、GZの方々が界域から出る度に気になって…」
「…お前…まだ諦めてなかったのか。どれだけ探してもお前とそのサイヤ人が出会う事など決してない!皆無だ!」
「なっ…そんな事分からないじゃないですか!この世に絶対なんてありませ…っ!うわああ!」
バサバサバサッ!
リファはバンッと机を力一杯に叩き、反論する。
それにより、山積みになっていた書類が津波のようになだれ落ちてきた。
案の定、リファの身体は簡単に埋まってしまった。
「おいおい…いい加減にしてくれ。何だか頭痛がしてきた。…とにかく、その書類を全てまとめておくように。良いな?」
蟀谷(こめかみ)を押さえながら、リファの上司はフラフラしながら飛び去って行った。
「…………」
しばらく目を瞑り、じっとしているリファ。身体が書類で埋まったまま、両耳の後ろに手を当て、何かを感じ取っているようだ。
そして次の瞬間、閉じていた目を片方だけ開けた。
「……よし、行ったな」
ニヤリと笑みを浮かべ、書類の山から抜け出すと、そのまま一直線に出口へと向かった。
「ふはははは!残念だったな!この私がそう簡単に諦めるとでも思ったか!」
どこぞの悪者のようなセリフを吐き捨て、猛ダッシュするリファ。
だがーー
ーードガッ!!
「ふんぎゃっ!」
「…あ、あれ…?い、痛ひ……」
何故か出口を通り抜ける事が出来ず、そのまま見えない何かにぶつかってしまった。
リファは顔面を強打し、そのまま垂直に倒れてしまった。
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