ここぞという時の守護聖霊
リファの手を離した途端、地球の神は、一気に風穴の方へと吸い込まれた。
本来ならそのような結末を迎える筈。
「………?」
だが、地球の神は今も尚そこにいる。何事もなかったかのようにその場でフワフワと浮いている。
「……一体、どうなっておるのだ?」
一体自分の身に何が起こったのか全く分からず、自分の両手を見つめながら閉じたり開いたりし、感覚を確かめる。
自身の身体からは、ほんのり温かい優しいオーラを感じた。
「死にませんよ」
「っ!?」
地球の神はハッとし顔を上げると、その声の主がにっこり笑い、両手を振りながら立っていた。
「…リファ……」
「だって、まだ始まったばかりじゃないですか。私、こんなとこで終われませんよ」
こちらも風穴による影響を一切受けていない様子。
そう、リファは自身に纏っているオーラにより、外の影響を完全に遮断している状態だった。
結果、オーラを纏うリファに悟飯そして神だけは、風穴に吸い込まれる事なく、普段通りの状態を保つ事が出来たのである。
リファは、地球の神の手を両手で軽く引っ張り地上へと誘導すると、へへへっと照れ臭そうに笑った。
やはり、彼女は星を守護する種族なだけはある。
非常事態には、己の意志とは関係なく、癒しのオーラが発動するらしい。身体がその感覚を覚えているのだという。
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