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キレイな心






「カミサマっ!しっかりしてください!」



少し離れた場所に、ボロボロになった地球の神が倒れている事に気が付き、リファは悟飯を連れ、慌ててそこへ向かった。


軽く揺すっても全く反応がない。かなりの重傷のようだ。



「…今、お助けします。カミサマ、頑張ってください!」



そう言うなり、リファは地球の神の胸に手を置き、スッと目を閉じた。



ーーブウゥゥゥン・・・・



彼女の身体から七色のオーラが現れ、それは彼女の両手まで伸びていき、やがて地球の神を包み込む。


その温かいオーラにより、ボロボロにダメージを受けていた地球の神の傷が徐々に癒されていく。



ーーフッ……



そして、数秒後にオーラは消えた。



「んっ……!」


「カミサマっ!?大丈夫ですか!?」



地球の神の意識が戻り、リファは身を乗り出した。余程心配だったのだろう。額からは大量の汗が流れ落ちていた。



「…リファか…?無事だったのだな」



地球の神は半身を起こし、目の前にいるリファの姿を見るなり、安堵した。



「この子のお父さんと、カミサマによく似た人が…私を助けてくれたんです」



眠っている悟飯に目線を落としながら、微笑を浮かべるリファ。



「わたしによく似た…ピッコロの事か?まさか…あやつが誰かを助けるなど……」



それを聞いた地球の神は目を見開き、かなり驚いたようだ。


大魔王と恐れられた彼がそのような行為に出るなど、今までなら考えられない事だったからである。


彼の心が少しずつ変化しているのだろうか。元はその大魔王と一つだった地球の神だが、彼の真意が全く読めないようだ。



「…あの、カミサマ……」


「え…あ、どうした?」



しばらくの間、ピッコロの事で一人考え込んでいた為か、突然呼ばれてハッと顔を上げた。


だが、何かに対し抵抗があるのだろうか。リファは、なかなか話を切り出そうとしない。


ただ、眠っている少年の方をじっと眺めているだけである。



「…………」



そんな彼女の様子を、何も言わずしばらくうかがう神。


神は、彼女の心の中を無闇に覗き込みたくはなかった。


彼曰く、その心があまりにもキレイ過ぎる為、興味という自分の一方的な感情だけで汚したくなかったのだという。


だが、心を読まなくても彼女の仕草だけで言いたい事が大体伝わってきたようだ。


それでも、地球の神は彼女が自分から言い出すまで待つ事にした。



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