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滅びの地の如く




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一方、リファはーー。



「んっ…………」



邪気により体力を奪われ、意識を失っていたが、ようやく目を覚ましたようだ。



「私、どうしちゃったんだろ……」



まだ意識がハッキリしていない様子。半開きの目をゴシゴシ擦りながら辺りを見回す。



「え………」



その直後、目の前にある光景に絶句してしまった。


今まで何個も建っていた塔の殆どが崩れ、まるで一つの星に滅びが訪れたかのように何も存在していなかった。


一体この地で何が起こってしまったのか。そして、何故自分だけが生きているのか。


そう考えるうちに、息が止まりそうになる。自分の代わりに誰か犠牲になった者が居るのではないかと。



「ん?あっ……!」



ふと膝元に伝わる温かい感触に気が付き、胸元に目線を落とす。


それにより、彼女の記憶は再び呼び覚まされた。



「…ご、悟飯くん……!」



そう、そこにいるのは悟空の息子である悟飯だった。


リファは、この小さな少年を庇うようにずっと抱き締めながら倒れていたのである。


だが、彼が無事かどうかはまた別の話だ。地面に仰向けにして寝かせるなり、彼の胸にそっと耳を近づけた。



ーードクン…ドクン……



彼の胸から聞こえてくるのは、規則的な柔らかい心音。


どうやら生きているようだ。



「よ、良かった……」



リファはホッとし、全身の力が抜けたようにヘナヘナと倒れ込んでしまった。


だが、まだ全ては解決していない。


彼女が本来の目的をまだ果たしていない事に気が付いたのは、その目線の先にある最悪な光景からだった。



「…かっ……」



ーーカミサマっ!!




そこにあるのは、ボロボロになって倒れている地球の神の姿だった。



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