限界
「フン…今はくだらんコントに付き合っている暇はないのだ」
自分からその原因となる話を吹き掛けてきたのにも拘らず、ガーリックJr.はまるで他人事のように軽くあしらった。
ーードガッ!!
「うおぉぉっ!!」
そして、今まで自分を拘束していた神の両手を振り払うと、そのまま彼を勢い良く遠くへ蹴り飛ばした。
「か、カミサマっ!?」
リファは、蹴り飛ばされた地球の神の元へ慌てて向かおうとする。
ーーガクンッ!!
「ーーっ!?」
(な、何この感覚…力が入らない……っ!)
辺りに漂う邪気のせいだろうか、全身の力が抜けるように、その場に膝をついてしまった。
だが、辛うじて悟飯は抱きかかえたまま、離さなかった。
彼を守らなければならないという強い思いが、リファの心をより一層強くしたのだと思われる。
そんな彼女に抱かれた悟飯は今、グッスリと夢の中だ。どうかこのまま、眠っていてくれと強く願った。
「さて、いつまでも待ってはおれんぞ。娘よ、いい加減諦めてわたしと共に来るのだ」
だが、状況は益々悪い方向へと向かってきている。
ガーリックJr.がゆっくりと彼女の背後よりやってくるなり、そのまま向かい側へ回る。
「うっ……!」
そして、彼女の前髪を荒々しく掴み上げ、上を向かせた。
「ーーぐっ!」
髪を引っ張られる痛さに耐えながらも、リファは固く目を閉じ、首を左右に振り続ける。
「新たな支配者はこのわたしなのだ!!その理想の世界は永遠に続く!お前達は従う他ない!」
彼は掴んでいる彼女の髪をブンブンと揺す振り、声を荒げる。何とも言えないような痛さが彼女を襲った。
「確かにお前は死なないかもしれん」
だが次の瞬間、背後より聞こえてきた声により、引っ張られる力が弱まる。
その声は、聞き覚えのある記憶に新しいものだった。
、
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