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大事なのは過程






「なっ…!?お、お前……」



その声に、ガーリックJr.は大きく反応した。



「…ハア…ハアッ…!カミサマ、やっと見つけた。良かった……」



現れたのは、悟飯を抱きかかえたリファだった。息を切らしている事から、相当急いでやって来たのだろう。


彼女曰く、激しい爆破音が別の場所から聞こえて来た為、それを頼りに進んで行くと、自ずとここに辿り着いたという。



「…そうか、その娘も神の手下という事だな。ならば、その関係を今ここで断ち切ってしまうまでだ」


「…あの…もしかして、しぇんろんとやらを呼んだのってあなたですか?」



ガーリックJr.から溢れ出す邪悪なオーラに、顔を歪めながら問うた。


リファはミスター・ポポから大まかな話を聞いていた事もあり、彼が神と関係がある人物だという事は直ぐに分かったようだ。



「その通りだ。わたしは神龍より永遠の命を与えられた。そして、お前はわたしの妃だ。有り難く受け入れるが良い」


「……へ?な、何で私?」



思わず目が点になった。


何かの聞き間違いなのではないかと疑ってしまうほど、彼女にとって衝撃的な事態だったようだ。



「い、いけません!愛のない結婚なんて!ちゃんと愛し合った者同士でないと結婚は無理です!」


「そうか…なら今からわたしを愛するが良い」

「私に拒否権はないんですか!?」



冗談じゃないと、リファは全力で拒否し続けた。


何が悲しくて、カビの生えたような肌の色の男と、生涯を共にしなければならないのだ。



「…ちゃんと、デートとかして愛を育んでくれないと、愛せません……」
「いやいやいや!ちょっと待たんかい!!そういう問題ではなかろう!」



真っ先に食いついてきたのは、今まで死にそうになっていた地球の神だった。


リファが結婚に対して断固拒否したのは、ガーリックJr.の外見ではないようだ。


大事なのは見た目ではなく、相手と共に過ごしてきた過程にあると、彼女は言いたいらしい。


意外な事に、彼女にも硬派な乙女心があったようだ。


だが、たとえそうであったとしても、流石に今回の場合は度を超えているようにも思える。


普段何も言わない地球の神でさえ、ツッコミを入れてきたのだ。


これは、重大な問題と捉えても何ら支障はないだろう。



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