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切り札と代償



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一方、リファが必死に探している地球の神はどうなったのだろうか。



「ぐわあっはっはっはっはっ!もはや老兵は消え去るのみ。父の恨みを思い知れ!今度こそとどめを差してやる!」


「ハア…ハア……がはっ!!」



その神は、最上階にてガーリックJr.と対峙していた。


だが、対峙と呼べる状況ではない。


地球の神は、鳩尾(みぞおち)を連続で突かれ、更には気功波までぶち込まれる始末。


完全にガーリックJr.に押されてしまっている。


攻撃を受け続け、かなり息が乱れているようだ。


立ち上がろうとするものの、身体に力が入らない。そのまま膝をついてしまった。


だが、そうしているうちにガーリックJr.が彼の方へ近付いて来ている。


これ以上攻撃を受ければ、今度こそ危険だろう。


だが、もう時既に遅し。ガーリックJr.は地球の神の胸倉を掴み上げるなり、高笑いした。



「んふふふ…ふははははっ!後はわたしが闇に満ちた理想の世界を作り出してみせる。安心してくたばれ!」



胸倉を掴んでいた彼の手が、神の首元へと移動する。


徐々に力を込められ、メリメリと痛々しい音が神に苦痛を与えた。


このまま絞め殺そうという気なのだろうか。


だが、神はその手を震える手で強く掴み、必死に抵抗しようとする。



「…っ!わたしはこれでも地球の神。お前が世界に君臨する事によって…どれだけの不幸災難がもたらされるか…っ!…分かっているつもりだ……ガハァッ!」



意識が朦朧とする中、神は抵抗を続けた。血走った瞳が、目の前の相手を捕らえて離さない。


そして、ガーリックJr.の手を己の首元から完全に離すと、今度は形成逆転で彼がその手を掴んだ。


そのまま彼の背中に己の両手を回し、決して離すまいとガシッと組む。


恐らく、これが今の神に残された最後の力だろう。



「命に代えてもお前の好きにはさせんっ!!はあぁぁーーっ!!」



ーーブウゥゥゥン・・・




神の身体から青い光を放たれ、その直後に稲妻が現れる。


だが、それらは今までのような優しい光ではないようだ。



「愚かな!差し違えるとでもいうのか!!」


「…その通りだ。それこそわたしが最期に出来る唯一の事かもしれん……」



彼らの会話でも分かるように、恐らくそれは何か代償を必要とする、神のみに許された切り札のようなものだと思われる。



「はっはっはっは!お前が死んでもわたしは死なん!」



だが、ガーリックJr.は神のその命懸けの行為をバカバカしいと言わんばかりに笑い飛ばした。


その時であった。



「やっと追いついた!」



二人の背後より、何者かが現れた。



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