研修生という名の鍵
「はあ〜…本当に困った奴だ…」
一人取り残されたタグラ。
すぐ側にあったレンガ造りの花壇に腰を下ろすと、困ったように大きな溜め息をつく。
「…本当に何も知らないのか?今、アイツが最も当事者に近い筈じゃ…」
額を押さえ、何故ラニアがあのような事を言ったのか考えているようだ。
だが、どう考えてもラニアが知らない筈はなく、やはりリファに気を遣っているようにしか思えなかった。
その真実というのは一体どのような内容なのだろうか。
「…ん……?」
ふと空を見上げると、新たにGZとなるだろう者達が、熟練のGZに続きアトラス界を出て行く様子が視界に入った。
「…研修か……大変だな。全宇宙が荒れているこんな時期に…」
ーーピタッ!
(……ん?待てよ……?)
再び視線を地に戻そうとしたその瞬間、タグラはある事に気がついたようだ。
「……研修、そうか!アイツがその後を知らない理由はコレだったんだな!」
花壇から立ち上がると、グッと拳を握りしめた。
ようやくモヤモヤが解決し、一見スッキリしたかのように見えるが、今の彼はそのような気分ではなかった。
「…恐らく、今真実を伝えても信じないだろうなあ…アイツ。何でオレが早期帰還したのか。そして…」
【惑星プラント】を滅ぼしたのは
リファが探している
あのサイヤ人だという事を…
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