リファの人間解釈
「お…おいっ!あの娘!」
だが、そう悠長にもしていられない。今まで伸びていたサンショが、強打した頭を押さえながら起き上がったのである。
伸びていた原因は恐らく、悟空に向かって放った気功波をピッコロによってかき消された後、また新たな気功波を彼に放たれ、致命傷を負ったのだろうと思われる。
「おい…おい!起きろ!」
閉じ込めていた筈のリファの姿を目撃するなり、隣で伸びていたニッキーをバシバシと叩き起こした。
「ん…え?ええっ!?まさかあの子…逃げだしたの?で、でも、一体どうやって…」
激しく叩き起こされたニッキーは、若干意識を朦朧とさせながらも、サンショが指差す方向を見上げる。
そこに居る筈のないリファの姿があった為、目玉を飛び出させて驚いた。
「そんな事はどうでも良い!さっさと取っ捕まえるぞ!」
二人でモタモタしていると、既に回復していたジンジャーがリファの元へ向かって行った。
「…うわっ!もう追ってきた!」
リファは既に目の前まで近付いてきたジンジャーに驚き、反射的に逃げてしまった。
「…ていうか、この星の人達は何で翼もないのに空を飛べるんだよー!!」
全速力で走るが、彼女の息が既に切れそうになっている。追いつかれてしまうのも時間の問題だろう。
下界に来て、初めて出会った者達が彼らのような強人だったばかりに、リファの地球人に対するイメージがベッタリと脳内にこびりついてしまったようだ。
つまり、今彼女の中での地球人の解釈は、まとめてみるとこうである。
まず一つ、地球人はみんな空を飛べる。
もう一つは、地球人は驚くべき身体能力があり、耐久性も抜群な肉体であるという事だ。
勿論そんな筈はない。だが、今は周りに地球人と呼べる者が居ない為、フォローのしようがない。
「ぐわあっはっはっ!逃がさんぞ!」
「げっ…!」
いつのまにかニッキーとサンショも加わり、挟み撃ちにされてしまった。
三人は共に相槌を打ち、ジリジリとリファに詰め寄る。
そしてーー。
「捕らえたあああーー!!」
両側から物凄いスピードで一気に近付いていった。
「ぬおおぉぉー!!」
ーーズドオォォーン!!
何かが崩れ落ちるような激しい音が響いた。
、
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