カミサマと少年君のお父さん
「…へっ!貴様の呑気さには毎度毎度ヘドが出るぜ……」
ずぶ濡れになったターバンを取ると、それを地面へ叩きつけた。
同時に、その叩きつけた場所にヒビが入る。一体そのターバンは、どのような仕組みで出来ているのだろうか。
また、そのような重いものをずっと頭に装着していた彼は一体何者なのか。
もし、彼が地球人のような黄色人種ならそう思っていた筈だ。
だが、今のリファはそれどころではなかった。
「…か、カミサマ?」
緑色の肌に頭の触角。ターバンを取った彼を見た途端、リファは急いで少年の元へ駆け寄り、大きく手を振った。
「おーい!ちきゅうのカミサマー!ご無事ですか!?すみません!やっぱり心配で来ちゃいました!」
「ん……何だあれは…このオレさまが神だと…?」
リファにそう呼ばれ、ピッコロは複雑な表情を浮かべる。
勿論彼は神などではない。恐らく同じ特徴を持っているが為に、リファは勘違いしてしまったのだろう。
「ああっ!アイツ、神さまが助けてやれっつってたヤツだ!」
それを見ていた悟空は、先程ガーリックJr.が抱きかかえていた少女の事を思い出したようだ。
そして、彼もリファに向かって手を振り返し、ピッコロの代わりに答えた。
「おーい!ピッコロは神さまに似てっけど、コイツはちげぇぞ!」
「貴方は…えっと、この少年君のお父さんですかー?」
顔の詳細までは見えない為、リファは声だけを頼りに話し始めた。
「ああ、そうだ!神さまからおめぇの事も助けてやれって言われてっからよ、全部片付くまで、どっか安全なとこに行っててくんねぇか?」
「分かりました!少年君の事は私にお任せください!」
そう言うなり、リファは再び少年を抱き上げた。
「おっ、本当か!じゃあ、わりぃけど頼むな!」
「おとうさんっ!」
リファに抱き上げられた少年は、顔だけをクルリと後ろへ向けた。
「悟飯、父ちゃんが闘ってる間、そいつの言う事ちゃんと聞くんだぞー!」
「はいっ!」
悟空が、悟飯と呼ばれるその少年に向かって手を振りそう言うと、彼はにっこり笑いながら元気よく返事をした。
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