邪悪な気
恐らく、先程までリファ達がいた場所は地下だった為に何も感じなかったのだろう。
地上へ出てみると、そこは驚くべき場所だった。
「…何、ここ……」
辺りは薄暗くて気味が悪い。どんよりとした邪悪な気が全てを支配するかのように漂っている。
それが原因で、リファは息苦しさを感じたのである。
(…こんな小さな子をこんな酷い場所に連れて来るなんて…この子が一体何をしたというの!?)
何という残虐な行為だろうか。リファは酷く憤りを感じ、ギュッと唇を噛み締めた。
だが、よく考えれば自分も何故かここに捕まっていた。
何か共通点でもあるのだろうか。
「ひっく…ひっく…わあああああん!おとうさああーーん!!」
少年もこの気味の悪い空間に耐えられず、泣き出してしまった。
「あわわわわっ!大丈夫だよ!お姉ちゃんが付いてるから、ね?」
泣き出す少年に焦ってしまうも、彼の背中を優しくさすり、何とか泣き止ませようとした。
「まいったなあ〜…ちきゅうのカミサマも見つからないし……」
リファの一番の目的は、地球の神を見つけ出し、助ける事だ。
だが、この現状では流石に難しい。
とは言え、このような場所にずっと居れば、いずれ生気を吸い取られてしまうだろう。
「…とりあえず、早くここから抜け出すしかないかな…それまで持ち堪(こた)えないと!」
リファは額から出る汗を拭うと、再び少年を抱え直した。
大脱出の再開である。
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