黒雲
「……え？な、なに？」
人間が歩く事のように得意とされている筈の空中飛行が、上手く安定しない。
リファは、上下左右にフラフラしていて、今にも落ちそうな勢いだ。
そしてーー。
ーービュンッ！
「きゃあっ！」
遂にはとてつもない強風に、吹き飛ばされてしまった。
「ちょっ…ちょっと！どうなってんの！？」
オーラを大量に放出し、全身にバリアを張ろうとするが、それも敵わない。
まるで吸い込まれるように、ある方向へただ一直線に向かっている。
その方向には、何やら怪しげな黒雲が覆っている。
見るからに邪悪なオーラに満ちている。突っ込めば一溜りもないだろう。
だが、もう手の打ちようがない。
「ぎゃああああああーー！！」
リファは、そのまま黒雲に呑まれてしまった。
DB 002 翼を持つ少女 完
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