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真実を神様に







困った事になった。



「…どういう事なのだ?星を守護する役目とは……」


「…な、なんで……」



あろうことか、通じる筈のない読心術にいとも簡単にかかってしまった。


真実を突かれ、リファは何も答えられないまま刻々と時が過ぎてゆく。


未だにその原因が分からないようだ。


うーんと頭を悩ませていると、地球の神は何かを察したようにある事を問うた。



「…おぬし、わたしにも己の姿が見えるようにと纏っているオーラとやらを解いたであろう?もしや、それが原因なのではないか?」


「…あ……」





確実にそれが原因だ…



地球の神にそう言われ、大事な事に初めて気が付いた様子。


やってしまったと後悔せんばかりに、両手で頭を押さえつける。


己の事は己が一番よく知っている筈。にも拘らず、このような鈍臭いミスをするのが彼女の欠点の一つである。


諦めたリファは、ふうっと一呼吸すると、その場に跪(ひざまず)いた。



「ちきゅうのカミサマ…私の世界について簡単にご説明致します。今より私が申します事は、どうか貴方の胸だけにしまっておいて下さいますよう、お願いします」


「…うむ、約束しよう」



リファの言葉に、地球の神は強く頷いた。



「まず、各惑星には必ず私達アトラス聖霊が守護についています。私達が張り巡らしているオーラと同じものを、惑星にも纏わせるのです」



リファは掌を上向きでかざす。すると、その手から七色のオーラが現れ、やがてそれは球体を形作り始めた。



「私達がオーラを送り続ける事によって惑星の守りは強化されます」



ーーフッ……



だが次の瞬間、手の上で作られた球体のオーラが消え去った。



「…ですが、今はアトラス界もアトラス聖霊も消滅してしまいました。私達の守り無しの状態で、もし宇宙戦争などになってしまえば、いずれ……」


「…なるほど、全惑星の滅亡も避けられん、という事だな……?」



地球の神にそう問われると、リファはコクッと頷いた。



「…しかし、困ったものだ。まさに絶望的と言うべきか…そのような時に奴に構っておる場合ではないというのに……」



地球の神は、持っている杖にもたれ掛かり、何とかならないものかと深い溜め息をついた。



「…え、あの……」



一方、リファは彼の言葉の最後に反応した。


彼が話す奴とは一体誰なのか、という事である。
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あきゅろす。
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