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審判の間にて


*******







ーそして数時間後…










「…という事なのですが、閻魔大王さま…この者の正体が不明ゆえに、こちらにうかがう他のうござりまして…」




リファは、先程の男に連れられて閻魔大王の居る審判の間に来ていた。




男は閻魔大王に彼女の事を一通り説明し、どうするべきか下知を待つ。




「う〜む…アトラスか。わしも聞いた事がない星じゃ。そもそも…その者の情報がないからな…対処のしようがないわい」




閻魔大王は、何か手掛かりがないかと自身が持っている【閻魔張】のページをめくる。




そこには、死者達一人一人の生前の功績が記載されている。




だが、どれだけ探してもリファの事は一切書かれていない。




流石にお手上げといったところだろうか、小さな溜め息が漏れた。





「…ひええ〜……」




一方、リファは間抜けにもポカンと口を開けながら、目の前に居る人物を見上げていた。







 噂では聞いていたけど…





 えんまさまって



 こんなにも大きいんだ…



 しかも、めっちゃ強そう…






 それに……









ちゃんと人の形をしているとは思わなかった!




どうやらリファは、閻魔大王の事を妖怪か何かの類(たぐい)だと思っていたらしい。




自分が想像していた者とは全く違っていた為、呆気にとられていた。




「そこの娘、リファイン・レクラーク・バートレットと言ったな?」




「…は、はいっ!」




ぼーっとしていたところ、突然名前を呼ばれた為、リファの背筋がピンと伸びた。




「そこの鬼の申す通り、お前は死んでおらん。だが、アトラス界とやらの崩壊の影響を受け、ここへ紛れ込んだ可能性が高いのう」




「…そんな〜…じゃあ私、一生此処で彷徨い続けるんですか?」




住む所もなければ、頼る者もいない。このままでは確実に浮浪者になってしまう。




この先が不安になり、顔を真っ青にさせていると、閻魔大王は巨大な机から身を乗り出し、微かに笑った。




「心配は要らん。生者を此処に置くわけにはいかんからな。お前に適した星を検討しておこう」




閻魔大王の残酷な言葉に、リファはズキリと胸を痛めた。





もう、アトラス界は元には戻らない。消えた仲間にも二度と会えない。





そのような意味合いにも取れるからである。



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あきゅろす。
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