此処にいる謎
だが、魂達は不思議そうにうーんと唸り声をあげた。
「…でもびっくりしたぜ。まさかオレらに触ってくるヤツがいるなんてな」
「…そうだよねー、普通は僕達魂には触れないんだよー?」
「なんでだろーねー?」
順に魂A、魂B、魂Cとしよう。彼らはふわふわと揺れながら、マジマジと凝視するようにリファの周りを回る。
「…え?そうなんですか?」
クルクルと自分の周りを回る魂達を目で追いながら、リファは問う。
すると、肯定の意味だろうか、魂Aが高く飛び上がった。
「ああ。ついでに言うと、生身のままここに辿り着くなんて本来ならあり得ないんだぜ?ま、例外はあるみたいだが」
「身体ある君は貴重な存在かもねぇー。良い子かもねぇー」
「きちょう。キミ、いい子いい子」
答えたのは、先程と同様に魂A、B、Cの順である。
三体の魂は、相変わらず彼女の周りをクルクルと回り、不規則に飛び上がる。
「…いやあ〜、良い子ではないと思いますが……」
こうもストレートに褒められると、くすぐったい気持ちになる。リファは両手を前に出して振り、彼らの言葉に対し否定する。
だが、その顔は若干赤く染まっていた。
「…でも、ちょっと待って……」
だが次の瞬間、ふとある事に気が付き、彼女の両手がピタリと止まった。
「…あの世に行くのって宇宙に存在する者だけじゃ……」
「なんだ…?お前、宇宙の住民じゃないのかよ?」
「いや…何と言いますか…宇宙には存在しない世界でして…とは言っても、現に私の世界はなくなってしまいましたが……」
「ふーん…よう分からんが、世界が無くなっただけなんだろ?お前自身が消滅したわけじゃないんじゃないか?」
「消滅に巻き込まれてココへ迷い込んで来たとかー?」
「ぐうぜんーぐうぜんー!」
「…えっと、どういう事ですか?」
「だってよ、現にお前死んでねーじゃん」
「…へ……?」
益々ワケが分からなくなってきた。
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