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混血の力






ラディッツが乗ってきた宇宙線と全く同じものに乗り込むと、早々とその星を後にしたベジータとナッパ。


宇宙線は一人乗りの為、各々が操縦し移動するそうだ。とは言っても、単にスイッチを押すだけのようだが。



「おいナッパ……」


スカウター越しで話しかけたのはベジータだった。腕組みをし、何やら考え込んでいる様子。



「そういえば、カカロットの息子の戦闘力はサイヤ人の子供と比べても異常に高いようだな……」


「…へ?何かの間違いじゃないですかい?下級戦士の子供ですぜ?強い筈がねぇ……」



だが、ナッパはあまり興味がないのか、鼻をほじりながら彼の話を聞いている。


スカウター越しでの会話だからこそ晒け出せる余裕だ。



「本当に間違いだと思うか……?」



一方、ベジータの表情は先程と変わらずだった。


実際、二人とも悟飯の戦闘力はスカウターを通して既にインプット済みだ。


だが、それは単なる数字に過ぎない。ベジータは、スカウターの事を指しているのではないようだ。



「予想できる事が二つある。まず一つは、我々サイヤ人と地球人との血が混じり合うと、強力な雑種が出来るのではないか、だ……」


「"スーパーサイヤ人"…ってとこか…なるほど…オレ達でそんなヤツをどんどん増やせば…再びサイヤ人の天下も夢ではありませんぜ!」


「冗談じゃない。そんなヤツらが成長して更に力をつけていってみろ。今度はオレ達の立場が危うくなるぜ」


「…それもそうですな…で、もう一つは?」


「もう一つは…カカロットが手厚く保護していた妙な女だ…ただの偶然だろうが、あの女の周りで妙な事が起こり過ぎているからな……」


ベジータはリファの存在が引っかかってならなかった。ただの偶然なら、ラディッツがわざわざ彼女を殺さずに生かしておくだろうかと。


だが、確かな答えが見つからず、頭の中で得体の知れない何かが動き回っている。


カリッと爪を噛み、焦れったい気持ちに駆られていた。


だが、焦っても仕方がない。ベジータは気持ちを落ち着かせ、フゥッと溜め息をついた。



「ドラゴンボールを手に入れるついでに、その女の事も調べておくぞ……」


「わかりました」



やはりリファの事が気になるらしい。


地球に着き次第、詳しい段取りを決めるとだけ言い、手元にあるタイマーのような装置に手を伸ばす。


物凄い桁の数からして、分刻みのものではなさそうだ。


恐らく、ここから地球までの時間を表しているものだろう。


地球での一年と、彼らにとっての一年とでは全く解釈が違うせいなのかもしれない。



「さて…と、久しぶりにドーーンと睡眠をとるか。一年後が楽しみだ……」



ベジータがそう言い終えると、彼は間も無く意識を手放した。どうやら今のは睡眠装置だったようだ。



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