ついに炸裂!魔貫光殺砲!
かめはめ波の大爆発により、辺りに黒煙が激しく上がっている。
「………」
悟空はその様子を上空から見ている。これが自分にとって、とっておきの技なだけあって期待はかなりのものだろう。
こっぱみじんは厳しいとしても、多少のダメージくらいは与えている筈。
「ぐうぅ……」
「なっ…なに!?」
だが、無惨にもその期待は灰と共に塵となって消え去った。
その黒煙の中から姿を現したのは、かめはめ波が命中し、かなりのダメージを受けた筈のラディッツであった。
身体をピクピクと動かしている事から、その行為に完全なる余裕があったとは言いがたい。
「な、何て奴だ…オラのかめはめ波を…まともに受け止めやがった……」
だが、とっておきの技が効かなかった事は事実だ。悟空もかなり驚いている。
地上へ降りる事なく、しばらく呆然としていた。
そんな悟空を地上から見上げていたラディッツは、彼の様子にすぐに気が付き、ニヤリと笑った。
「今度は俺がプレゼントしてやる!」
掌からバチバチと迸(ほとばし)る程の巨大な気を集中させ始め、
ーービッ!!
その気の塊は徐々に物体化していき、光玉となった途端、上空にいる悟空に向かってぶっ放した。
ーーバチバチバチッ!
「ぐぎゃあッ!!」
悟空の身体に見事に命中したそのエネルギー波は、まるで100万ボルト以上の電流を浴びるような威力。
身体中に複数の刃が突き刺さるような激しい痛みが悟空を襲った。
致命傷を負い、身動き出来ないまま地上へと落下していく。
ーーヒュッ
その間に、ラディッツは落下が予想される場所へ素早く駆け寄る。
そしてーー。
ーーガシッ!
悟空が背中を強打して地上に落下した直後、ラディッツは素早く彼の胸倉を掴む。
悟空は背中を地から離し、振り払おうとするものの、やはり致命傷のせいか、彼の拘束から逃れられずにいる。
「死ねぇっ!!」
「うぐっ……!!」
とどめを刺すには今が好機だと、少しの隙も与えない。
ラディッツは、構う事なく悟空に向かってそのまま右拳を勢い良く振り上げた。
だが次の瞬間ーー。
「 死ぬのはてめぇの方だ……!」
「!!?」
ーーピピピピッ!!
スカウターが凄まじい戦闘力に反応し、ラディッツは咄嗟にその方向へ視線を向ける。
すると、少し離れた場所にやっと気が溜まり、大技を出さんとチャンスをうかがっているピッコロの姿が大きく目立っていた。
「せ、戦闘力【1330】だと!?す、全ての戦闘力を指先だけに集め……!?」
ピッコロが自らの額に当てている指先は、バチバチと放電するように巨大なエネルギーが満ち溢れている。
まさか、そのような事が出来る者が、しかも地球のような辺境の星に存在していたとは。
「くそっ…!こいつら、力を自在に操りやがる……!」
一体どうなっているのだと、ラディッツはそんな彼を見るなり心なしか焦っているようだ。
いつまでも手間取っている余裕はなさそうだと、この時実感したようだ。
ピッコロの技がこちらに届くまで僅かだけ時間がある。そう予想したラディッツは、今のうちに悟空を始末する事にした。
だが、それも彼の大きな勘違いであった。
「魔貫光殺砲を受けてみろーーっ!!」
ーーズォビッ!
ギュイィィィィィーーン!!
「…なっ!?」
ラディッツに向かって指先から放たれた螺旋状の光線は、思ったよりも遥かにスピードがあった。
その上、見た感じでは貫通力もかなり高い。これでは悟空を始末するどころか、その光線に太刀打ちする余裕さえも危ぶまれる。
「チッ……」
止むを得ず、ラディッツは一旦悟空から離れると、その攻撃に備える為、構えを取る。
一方、悟空はあまりの技の凄さにじっと見ているだけだった。
ーーカッ!!
眩い閃光と爆風が辺り一面を覆い隠した。
、
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