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睨み合い






その後、少しもしないうちに悟空とピッコロがラディッツの居る場所へ到着した。


彼らは空から地上へと降りてくるなり、目の前に居る標的と向き合う。


同時に、冷たい風が三人の間を渦を巻きながら吹き抜けていった。



「なるほど…もう一匹の方は貴様だったか……」



ピッコロの方を見やりニヤリと余裕の笑みを浮かべる。そして、すぐに悟空の方へ視線を移した。



「…どうやって此処を知った?」



現時点では、ラディッツに殺意は表れていないようだ。冷静に悟空達と向き合っている。



「教えてやるもんか!」



一方、悟空はそんな彼とは対照的で、余裕などありはしない。ただ拳を握り締め、怒りを抑える事で精一杯のように見える。


彼の懐には、ラディッツの居場所を簡単に見つけ出す事の出来る優れもの、ドラゴンレーダーが大事にしまわれている。


まさかそのまま戦うつもりなのだろうか。


以前、悟空はそれを懐にしまったまま敵と対峙し、壊してしまった事がある。


彼がまだ幼い頃の話である。


世界征服を狙う悪の組織【レッドリボン軍】に捕まってしまっているジングル村の村長を救出する為に、悟空はホワイト将軍率いる部隊が駐屯している【マッスルタワー】に単独で乗り込んだ。


そして、5階の【謎の部屋】にいる【ブヨン】との対峙により、懐に入れていたドラゴンレーダーが壊れてしまったのである。


今回も当時と状況が同じである為、壊れる確率はかなり高い。


もし、ドラゴンレーダーが壊れてしまえば、何かと不便になるだろう。


だが、今の悟空の様子からしてその事を分かっているようには思えない。


只々ラディッツとの間に、妙な緊張感が漂うばかりである。


一方、ラディッツは何かを隠しているだろう悟空のあからさまな態度にフッと笑った。



「よかろう…では違う質問をしてやる…貴様ら、一体ここへ何しに来た?」



勝てる見込みがないにも拘らず、見す見す死にに来たのかと、彼は悟空のその無謀な行動が可笑しくて堪らないようだ。


ずっと肩を震わせ続けている。



「決まってんだろ!オラの子とリファを取り返ぇしに来たんだ!」



ザッと勢い良く前へ出る悟空。今すぐ殴りかかりたい気持ちでいっぱいだったが、歯軋りをしながら必死に怒りを抑えている。


相当焦っているのだろう。早くリファを助け出さなければ、死んでしまうかもしれないからである。


だが、ラディッツの反応は変わらず、余裕の笑みを浮かべている。



「ほう…という事は、同じサイヤ人でありながら仲間に加わるのは嫌だという事か?」


「何度もそう言った筈だ!オラは死んでもおめぇらの仲間になんかなんねぇ !」


「なるほどな……」



悟空がそう言い切ると、ラディッツは目を閉じ、ふぅっと溜め息をついた。



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あきゅろす。
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