度々起こる異変
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「…妙だな…スイッチは切っておいた筈なんだが…」
その一方、ラディッツはある方向をジッと見つめるなり、表情を歪めている。
その原因は、遠く離れた場所に置いてあるスカウターにあった。どうやら、それが勝手に作動し始めたようだ。
不審に思ったラディッツは、何が起こったのかを調べる為にスカウターのある場所へ歩み寄る。
そして、実際に手に取ってみるなり、スイッチを入れ直した。
ーーピー!ピピピ……
「な、何だこれは!」
スクリーン上に浮かび上がったのは、今まで目にした事もない驚くべき表示内容だった。
「警告…残りあと数時間だと……?」
何の事か全く分からず、眉をひそめる。故障してしまったのかと何度もスイッチを入れ直してみるが、その表示は消えない。
だが、彼を困惑させるような事態は更に続いた。
ーピピッ……
「またか…今度は何だ?警戒信号か…なっ!?何!?」
新たにスクリーン上に浮かび上がった表示を確認した途端、思わず目を見開いた。
「せ…戦闘力710!!近いぞ!どこだ!?」
地球で探索してきた中で、最も高い戦闘力だ。ラディッツは素早く辺りを見回し、その位置を探る。
すると、スカウターの反応がある一点に留まった。それは、予想だにしない場所であった。
ーーピピピッ… ピーーッ!
「な、なに!?あのガキだ!」
ラディッツの視線の先には、彼が乗ってきた宇宙船がある。
今、その中に入っているのは悟飯だ。つまり、その凄まじい戦闘力の持ち主は、悟飯という事である。
だが、きっと故障か何かだろうと特に気にする様子はない。そのような数値が出る筈がないと思っているようだ。
だが、それは彼の油断であった。
「ん?反応がもう一つ……!ここに向かってくる!」
再びスカウターが反応し、ラディッツは即座に空を仰ぐ。
「……ひとつ…ふたつ…戦闘力【322】と【334】か…片方はカカロットと同じ戦闘力だ……」
だが、先程の対峙でも分かったように、自分と悟空では力の差は歴然としている。
勝てる見込みが全くないと分かっていながらやって来るのは無謀であり、自殺行為に等しい。
そもそも、この場所が悟空に分かる筈がない。ラディッツはそう思い込んでいた。
「まいったな……完全に故障してやがる……」
壊れていては使い物にならない。諦めてスカウターのスイッチを切ろうとしたその瞬間ーー。
「っ!?まさか!!」
何か嫌な予感が働いたのか、ハッと顔を上げると、スカウターの反応があった方向へ視線を向けた。
「来やがった!!」
やはりスカウターの反応通り、ほぼ同じ戦闘力を持った二人、悟空とピッコロがこちらへ向かって来ていた。
(…故障じゃないのか…?)
ラディッツは後ろへ振り返り、信じられないと言わんばかりに顔に汗を溜めながら宇宙船の方を見ている。
(違う…!絶対に何かの間違いだ!あんなガキの頃から戦闘力710などという事はあり得ん……!)
だが、直ぐに首を左右に振り、そのような事は断じてないと自分に言い聞かせた。
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