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ラディッツへの頼み事





「…で、オレは何をすればいいんだ?」



そう問うなり、ラディッツは焼けた魚をほぐしながら横目でリファを見やる。



「まずは他の惑星に居るお仲間に真実を全てお伝えして頂きたいんです……」


「な、なんだと!?」



ラディッツは、思わず木枝に突き刺していた魚の身をポロリと落としてしまった。


それは、彼にとってあまりにも難題過ぎる頼みだからである。


他の惑星に居る者達に情報を提供するには、スカウターがかなり役に立つ。


だが、それでは彼ら以外の者にも聞かれてしまう為、自殺行為に等しい。


だからと言って、一度その惑星に向かえば、再びここに来るまでかなりの時間を要する事になる。



「いくら何でもそいつは厳しいと思うが……」


「あ、あの…何なら私もその惑星まで同行させて頂きますから……」


「なっ……!?」



彼が自分の言う事をまだ信用していないと思ったリファは、再び自分を人質に取っても構わないとまで言い出した。


一方、再び魚の身を取ろうと木枝を伸ばすラディッツは、彼女の発言を聞いた途端、うっかりそれを落としてしまった。


まさか、彼女がそこまで執着するとは思っていなかったらしい。


だが、これもリファのただの勘違いであり、ラディッツはそのような事を言っているのではなかった。



「お前…此処からその惑星までどれくらいかかるか分かって言ってるのか?」


「え…そ、そんなに遠いんです?」



惑星ベジータの科学は地球よりも進歩している。そんな彼らが此処までやってくるのに、大層時間をかけていたという事実に驚いたようだ。


だとすれば、その仲間が今どれ程遠い場所に居るのかという事が分かる。



「当たり前だ。宇宙は広いからな…そもそも、オレが乗って来た宇宙船は一人乗りだ。どのみちお前を連れて行く事は出来ん……」



恐らく、自分がその仲間の元へ向かっている間に、多くの惑星が彼らによって破壊されてしまうだろうとラディッツは言う。


正にその通りだ。残された時間は僅かしかない。そのほんの少しの時間をどれだけ有効に活用できるかが、最も重要な問題だろう。



「そ…そんな……何か他に手はないんでしょうか…いえ、何かある筈なんです…何か……」



成す術がなくなり、リファはガクッと酷く落胆してしまった。


だが、このようなチャンスはもう二度と訪れないかもしれない。ありったけの知恵を絞り出し、どうするべきか考えた。


だが、このような時に限ってなかなか思うようにいかないもの。


良い案は全く浮かばない。





「…いや、ない事もない……」



だが、そうでもなかった。


しばらくして後、ラディッツがポツリと意味深な言葉を呟いたのである。



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あきゅろす。
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