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一体どこへ向かっているのだろうか。目隠しをされている為、辺りの様子が見えない。


その上、とうとうロープで身体を縛られてしまった。ジタバタ暴れ続けていた為である。


不安と恐怖は募るばかりだ。



「いやー、まさかこんなアッサリ上手くいくとはなー…てっきり男が邪魔しに来るのかと思っていたが…お前、案外寂しい女なんだな」



ケラケラとリファをバカにしたように笑う男達。彼女の頭を自分の手でグイグイと押し、完全にナメきっている言動だ。


それでも彼女は何も言わず、黙ったままだった。



(こんにゃろ〜…立場上何も言い返せないのがツラい…)



彼女は星を守る使命を持つ一族。如何なる状況においても、私情を一切挟んではならないからである。


もっとも、心の中ではかなり腹を立てているようだが。



ーープスンッ・・・!



だが次の瞬間、まるでリファの怒りの刃が彼らに突き刺さるような出来事が起こった。


エンジンが止まったような音が鳴り、その直後に乗り物がガコンと傾いたのだ。


突然足元が傾いた事により、操縦者以外の全員がバランスを崩し、倒れ込んでしまった。



「つッ…!お、おい!何で急にエンジン止めるんだ!?危ねえだろ!!」



一人の男は頭を強打したようだ。痛そうに強打した箇所を押さえながら、何をやっているのだと、操縦席の方をキッと睨み付ける。



「 バカ野郎!オレだって止まりたくて止まったんじゃねえんだよ!」



一方、操縦者は彼の発言に苛々し、後ろを振り向かずに声を荒げた。よく見ると、操縦レバーを握る手がプルプルと震えている。



「さっきからレバーが言う事を聞かねえんだ…エンジンもオレが切ったんじゃねえ。強制的に止められたんだよ!」


「な…何だって!?」



ーーガンッ!

「ひえぇぇーっ!」




そして、とうとう天井が凹み始めた。一体外側で何が起こっているのだろうか。


頭を強打した男はうつ伏せの身体を引きずりながら窓際に移動し、外の様子を伺う。



「ッたく…誰だよオレ達の邪魔をするヤツ…うわあぁぁっ!」



窓の外を覗き込んだ途端、彼は叫び声を上げ、慌ててそこから離れる。


だが、リアクションを取る暇も与えられず、乗り物は一気に急降下していった。



そしてーー。



ーードスンッ!!



飛んでいた乗り物は、元の地上へと荒々しく打ち付けられ、その直後に故障を思わせるような煙がシューっと上がった。



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あきゅろす。
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