新たな手段
「…どうしよう…これが使えないと地球の事が全く分からないよ……」
唯一の救いであったものが使えないという予想外な事態に陥ってしまった。
そうなると、また他の手段を考えなければならない。
周囲には、相変わらず厄介な男達がリファを取り囲んでいる。それだけならまだしも、先程よりも人数がかなり増えていた。
状況は、益々悪い方向へと進んでいくばかりである。
「…そんなの良いからさ、オレとデートしようよ?大丈夫だって、悪いようにはしないからさ」
「ひえっ!?」
そんな事をしていると、また一人のナンパ男がリファに近付き、彼女の肩にポンと手を置いてきた。
口ではそう言うものの、顔がニヤついている為全く説得力がない。
たとえオーラが弱まっていようと、この人物が裏で良からぬ事を考えているという事だけは一目瞭然であった。
「…えーと……」
まだ地球探索は始まったばかり。最初からこのような場所で足止めされていては目的を達成する事が出来ないだろう。
だからと言って、せっかくのお誘いを断るのも気が引ける。
リファは手に持っていた冊子をリュックの中にしまうと、フゥッと一呼吸置いた。
どうしよう…
ほんとどうしよう!
こんな時どうすればいいの?
一層の事リターンゾーンで逃げる…?
いやいやいや!
人前で消えちゃダメだって
カミサマから言われてるし…
ほんとにピンチです!
「ねえ、どこへ行こうか?まずはウィンドウショッピングかな?映画とかも良いよね?」
どさくさに紛れ、ナンパ男は今度はリファの手を握ってきた。狙った獲物は逃すまいと、リファのリュックにも手をかけようとした。
ーーバッ!!
だが、リファは危機一髪でリュックに抱きついた。
「ごめんなさいっ!私、急いでるんで…失礼します!」
そして、そのままリュックを担ぎ上げ、大急ぎでその場を後にした。
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