アトラスの術
「…あれ…?何コレ…」
リファは一枚の書類が目に留まり、それを手に取った。
その一枚だけが茶色く変色している事から、随分と昔の報告書だと思われる。
先ほどの大惨事により、新しい書類に紛れ込んでしまったのだろうか。
紙の劣化で文字は殆ど消えており、その内容を把握する事はできないが、リファはそれといって困っている様子はない。
スッとその報告書に手をかざし、目を閉じた。
ブウゥゥゥゥン……
その瞬間、彼女の身体から七色のオーラが現れた。
吸い寄せられるかのように、かざしている手の方へ流れていく。
そのオーラは紙にも纏い始める。
そして、劣化により茶色く変色していた筈の報告書が、以前の状態に戻っていたのである。
「ふう〜…私の術も順調ねっ!やっぱり…」
このまま行けばGZになれるのも夢じゃないかも!
いや、だからそれは断じてない。
そんな事より、早く元の状態に戻った書類に目を通せば良いのではないだろうか。
と、思っている者が大半だろう。
「…じゃあ、早速…何て書いてたのか読ませて貰おうかな」
長い長い余興を終え、リファはようやくその書類を手に取った。
「…………え、何コレ……」
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