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究極の選択





「…とても有り難い話ですけど、やっぱり私は……」



リファは申し訳なさそうに首を左右に振った。


確かに、悟空があの時の人物と何か関係があるとすれば、歴史の真実を突き止める事が出来るかもしれない。


彼と行動を共にしていれば、アトラス界を甦らせるヒントが見つかるかもしれない。


アトラスさえ甦れば、最終的には全宇宙を救う事に繋がる。彼女にとって、それは一石二鳥の提案だった。


だが、悟空とて一人の人間だ。命に関わる重大な問題に巻き込むわけにはいかない。


彼にだって大切な仲間や家族がある。全ての者の幸せを望むリファにとって、それはかなり酷な事だった。


そしてもう一つ、リファにはどうしても口に出せない重要な問題があった。


それは、彼女のアトラス聖霊としての力が弱まっているという事である。


その事を話せば、必然的に自分の正体を明かす事になる。悟空が自分の事をどこまで知っているのか分からないだけに、安易に口を開くわけにはいかないのだという。


一方、このまま彼の提案を断れば、最大な問題が生じてくる。


それは、リファの生命に関する事である。あれ程に顔色が悪くなってしまえば、悟空の気以外で助かる可能性はかなり低い。


彼女もそれはよく分かっていた。GZではない者が外界へ出ると、死に至るという事を。


そして、リファだけに効果のあるその方法も、互いが一緒にいなければ何も意味がない。


自分の事を知られるのを覚悟で話すか、このままくたばるか。リファは究極の選択を迫られていた。



「なーに、心配ぇねえさ。おめぇがくたばっちまったらオラが元気にしてやっからよ。それに、もしかすっと強ぇ奴にも会えっかもしんねえしな!オラ、すげぇワクワクすっぞ!」


「…え……」



だが、既に話は一直線に進んでいた。



「遠慮なんかすんな!ほら、そうと決まれば行くぞ!ついて来いよ」


「え…え…あ、あの……」



そう言うなり、悟空はリファの手を握りしめ、下界へ向かおうとした。









「孫悟空、少し待て……」



すると、二人の背後から何者かが現れた。



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