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運命の巡り合わせ





だが、互いに自己紹介を終えても悟空は握手したままリファの手を離そうとしない。


ただじっと彼女の顔を凝視している。



「……あ、あの…何か……?」



こうも見つめられると、恥ずかしい上に、ドキドキが止まらない。


とうとう我慢し兼ねたリファは、悟空にどうかしたのかと問うた。



「…いや…オラ、前におめぇと会った事あったかなぁって……」



すると、彼女の問いに具合悪そうに頭を掻きながら答える。


どうやら悟空は、あの時リファが言った言葉の意味を知りたかったようだ。


それを聞いたリファは思わずハッとし、冷や汗をかいてしまった。


悟空が助けに来た時、確かに口に出してしまったのだ。


また会えて良かったと。


どうやら自分の心に留めておくつもりだったらしい。どのように説明しようか悩みに悩む。


だが、既に口に出してしまった後だ。今更隠したところでもう遅い。



「え、えっと……実は…私が子供の頃、死にかけだった所を助けて貰って…すみません、その人が貴方によく似ていたので……」



悟空と他の人物を重ねて見てしまっていた事を、申し訳なく感じている様子。悟空に向かって深く深く頭を下げる。


彼女自身、分かっていたのだ。その人物と出会ったのは紀元前。再会などとても無理のある話だと。


だが、彼と出会った事により、心のどこかで生きていると期待してしまったのかもしれない。



「なあ…その、おめぇを助けたって奴…そいつも自分の気を送ったんか?」


「…私はよく覚えていなかったんですけど、友人から話を聞いて…でも、普通なら考えられない事だって……」



当時の事を思い出すように、途切れ途切れ話すリファ。


彼女は、悟空の息子である悟飯についても話した。


幼い頃に出会った男のように、彼にも尻尾が生えていた事である。


それに気がついてから、もしかしたらと予感はしていたのだという。


これから訪れるだろう、新たな変化に。


だが、彼女はサイヤ人という言葉だけは一切口に出さなかった。ただ何となく、今は話さない方が良いだろうと、直感が彼女を制止させたのである。



「…そっか……」



真実なのだろうが、どこか遠慮しているようなリファの話。


気になる事も色々あったようだが、悟空はただ黙って聞いていた。


そして、彼女の話がひと段落ついた時、ようやく口が開く。



「…その考えられねぇ事をオラや悟飯も可能にしたって事だろ?上手く言えねぇけど、そいつとオラ達と、何か関係があんじゃねぇか?」


「確かに……そう思いますけど……」


「じゃあ…そん時みてぇにオラ達と一緒に居りゃあ、おめえも助かるんだよな?」


「………!」



悟空の一言により、リファは俯いていた顔を上げた。まさかと思ったのだろう。


「よし!決めた!オラもおめぇの言う真実っちゅうヤツを一緒に探すぞ!」



だが、そのまさかだった。


何度も起こる数々の奇跡。


きっとこの宇宙上の何者かが、自分と悟空とが必然的に巡り会うよう、運命を操っているに違いない。


自分達に何かを伝える為にーー。


もしもそれが真実ならば、どうかこの奇跡が歪められる事なく続きますように。


リファは心の中で強く願うが、それは叶わぬ願いなのかもしれない。



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あきゅろす。
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