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弱まっていく力


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「……んっ、」



一方、長期間眠り続けていたリファの目がゆっくり開かれた。


意識が朦朧とする中、半身を起こしては辺りを見回す。


見た事のない景色。だが、自分が知っている場所に少しだけ雰囲気が似ているようにも感じた。


崩壊したアトラス大神殿の構造と、所々似ている箇所があったのだ。



「…私、どうなっちゃったんだろ…確かカミサマを探しにゲカイに行って、それで……うっ!!」



途端に顔を歪め、頭を押さえるリファ。あれこれ思い出そうとすると、ズキッ頭に痛みが走ったのだ。


どこからが現実で、どこからが夢なのか分からず、混乱している様子。



「…とりあえず、ここの管理人さんに聞いてみなきゃ分からないかな……」



リファは七色のオーラを発動させ、自らの姿を消した。


そして、そのまま壁をすり抜けようとした、その時であった。



ーーガンッ!!

「ふんぎゃっ!!」




あろう事か、壁をすり抜ける事が出来ず、そのまま壁にぶち当たってしまった。


顔面を強打したリファは仰向けのまま床に倒れ、かなりツラそうに顔を手で押さえている。



「あたたたっ…な、なんで?何で通れないの?」



だが、やはり彼女はタフだった。数秒も経過しないうちに、まるで何事もなかったかのようにムクッと起き上がり、ぶつかった壁の方へ近付いていった。


そして、恐る恐る手で触れてみる。おかしな事に、触れている感覚があったのだ。


だが、更に異常事態は続く。壁に掛かっている鏡に目をやった瞬間、とんでもない事実が発覚したのだった。



「…翼がない…な、なんで……?」



オーラを発動すると同時に現れる筈の七色の翼が、存在していなかった。



「…オーラを発動しているのに……まさか、アトラスが崩壊したから…私の力も弱まってるんじゃ……」



アトラスがまだ健在だった頃、友人のラニアが言っていたように、GZではない者達は、アトラス界から放出されているオーラの恩恵を受けながら生活していた。


だが、今やそのアトラスそのものが存在しなくなっている。それが何を意味するかは、流石の彼女でも理解出来たようだ。


このままでは、生きていく事さえも困難になるだろう。



「……まいったなあ…どうしよう……」



寝台の横にある窓に移動すると、外の景色を眺めた。一見落ち着いているように見えるが、かなり動揺している。



ーーガチャッ!



その瞬間、部屋の扉が開かれ、誰かが入ってきた。



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あきゅろす。
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