勘違いなACスペシャリスト
しばらくの間、散らばった書類を片付け、ようやく本来の仕事に取り掛かる事が出来た。
が、困難は過ぎ去る事はなく、今もリファの頭を悩ませていた。
「何でこんな大量の書類が…AC課の役割人数も増やさないと追っつかないんじゃないかな…」
閉じ込められた苛立ちもあるのだろうか、ブツブツと文句を吐き捨てるが、それは追いつかないのではない。
それは、彼女が仕事中に抜け出す事が原因であり、そのしわ寄せがAC課全てに来ているだけである。
だが、今回ばかりは例外であり、普段はこれほどにも忙しくないのだという。
原因は宇宙の状勢にあった。
現在、宇宙では強大な悪により、惑星が次々に破壊され続けている為、GZ達の被害もかなり大きいようだ。
それによる大量の報告書作成や、GZの消滅により、守護聖霊が居なくなった惑星へ新たに派遣する為の手続きもしなければならない。
つまり、普段あまり仕事のないAC課は、戦争が起こった時のみ莫大に忙しくなるのである。
「…そっか、私が抜け出してこんなにも仕事が増えてるって事は…」
やっぱり私って重要ポジションに居るって事なんじゃないの!?
椅子から立ち上がり、拳を天井に向かって突き上げる。
だが、それは断じてない。
かつて有能なGZとして活躍した両親と比べ、リファはその遺伝子を受け継がなかったと言われるくらい、潜在能力が低いからである。
「ふふふっ、私の出世の道もそう遠くはないかもね!」
上機嫌に鼻歌を歌いながら溜まった書類を片付けていく。
今まで山積みされていた書類の一列がいつの間にか片付いていた。
前言撤回しよう。
彼女は前線に出るよりも、このような補佐の方が向いているのかもしれない。
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