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異様な感覚


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「ミスター・ポポっ! 」



勢い良く神殿の地面に飛び上がると、すぐ目の前にミスター・ポポが立っていた。



「孫悟空、待っていた。こっち、リファが居る。ついて来い」



ミスター・ポポが指差す方向は、神殿の中だ。くるりと踵を返し、悟空を誘導するように去って行った。


しばらく歩き続け、ようやく彼の足が止まったのは一番奥の部屋の前だった。


ドアノブに手をかけると同時に、ミスター・ポポはチラリと悟空の方を見やる。



「…リファはまだ眠っている。何らかの刺激与える、良くないかもしれない。出来るだけ負担かけないようにして欲しい」


「ああ、分かった!」



悟空が強く頷くと、扉はミスター・ポポにより、ゆっくり開かれた。


その先には、天蓋のついた立派なベッドがある。恐らく、リファはそこで眠っているのだろう。


悟空は彼女を起こさないよう、慎重になりながら近付いていく。



「 ………っ!」



寝台の目の前までやって来ると、やはり彼女はそこで眠っていた。


まるで死んでいるかのように青白い顔になっている。だが、彼女から僅かに聞こえてくる呼吸により、辛うじて生きている事が分かった。


リファの頬にそっと触れてみると、やはり顔色と同様、随分と冷え切っていた。あまり良い状態とは言えないだろう。


次の瞬間、頭の中でどこかの星が浮かび上がった。


何かの悲鳴が聞こえる。


まるで自分を呼んでいるような、助けを求めているような、そんな感じだ。


やがて、その星に亀裂が入り、爆発してしまった。



「……っ!?」



その直後、悟空はキューッと胸が締め付けられるような感覚に襲われた。



(な、何なんだ……?オラ、どうしちまったんだ……?)



「孫悟空、どうした?」



悟空の異変に気が付いたミスター・ポポは、横から彼の顔を覗き込み、手を振ってみせた。



「え?いや…何かこいつから変なもんが見えちまってよ……めぇったな…こんなのオラも初めてだ……」



ミスター・ポポに呼ばれ、ハッと我に返る悟空。頭を押さえていた手を下ろし、はははっと笑ってみせた。



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あきゅろす。
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