短編集 その@
特効薬(遠山金太郎)
何かよう知らんけど…。
胸がムカムカするわ。
奏荼が他の男と話してる。
――――…白石と謙也?
何、楽しそうに話してんの?
――――…気になる。
ムカ。
「―――?」
自分の胸を押さえる。
何やろか。
このムカムカ。
居心地悪いわ。
イライラするわ。
何でなん?
ただ、奏荼が他の男と話してるだけやん。
それやのに、何でなん?
判らへん。
誰に聞いたらええんやろ。
オサムちゃんに聞いたら、教えてくれるやろか。
「遠山さん。こちらにおいででしたか」
「奏荼!!」
何時もの様に笑って話し掛けてくれる。
「何話してたん?」
「遠山さんの居場所を教えて頂いて居たんですよ?」
ふふっ、と、柔らかく微笑む。
―――――…何やろ?
さっきのモヤモヤ、無くなったわ。
奏荼の笑顔、見ただけやのに。
奏荼の笑顔は、クスリやな。
イライラしたり、ムカムカしたら、奏荼の所に行ったらええんやな。
そしたら、治るんや。
どうして、奏荼が金太郎以外の男に話し掛けてるのが嫌なのか。
その想いに気付くのは、まだまだ先。
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あとがき
金ちゃんは、恋愛には、かなり鈍そう。
ケド、周りのコ達は気付いていて、意地悪してそう。
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