短編集 その@
雪だるま (いつき&政宗)
今日の奥州は、一面銀世界。
昨日から降り注いだ雪が、積もっていた。
「んしょっんしょ」
「もうちょっと、おっきくするだ」
コロコロコロ…。
雪玉を転がす。
「餓鬼は雪遊びが好きだな(--;)」
朝早くから叩き起こされた成実。
半纏と火鉢を持ち込んで、雪といつきを見ていた。
何故成実がいるのか。
それは、政宗の『許可』が下りた人と遊ぶ時も、付き添いがいるから、である。
「それぐらいで良いだよ〜」
「はあい」
一昨日から、いつきが雪の元に遊びに来ていた。
一面の銀世界に気を良くした2人は、成実を起こして、雪が積もる庭で遊んでいたのだ。
「出来ただよO(≧▽≦)O」
「れきたお〜O(≧▽≦)O」
2人とも、きゃっきゃ、とはしゃいでいる。
「じゃあ、顔を作るだよ」
「あい」
只今、雪だるまの顔を作成中。
「ん〜、これで良いだ(*^^*)」
「れけた(*≧m≦*)」
2人とも、満足気に笑う。
「雪」
どうやら、政宗が起床したらしく、用意されていた着物に着替えて、庭先に姿を見せた。
「まーしゃんっ(*^^*)」
「お侍さんっ」
満足そうに笑い、政宗の元に駆けて来る。
「2人で、何やってたんだ?」
「雪だるま、作ってただよ」
「うん。いちゅと作た、作た」
嬉しそうに笑いながら云う雪の指先が、真っ赤になっている事に気が付いた。
「霜焼けになるぞ。ほら、こっちに来い」
政宗は、下男に蒸しタオルを用意する様に云い付けると、居室へ、と向かう。
「あしゃげ?」
トトト、と、政宗の後を追い掛ける様に、歩く雪といつき。
「ああ。雪は先に指先を暖めねぇとな」
「あい」
「いつき、お前もな」
「判っただよ」
居室に着くと、いつきに蒸しタオルを渡し、雪を膝上に抱く。
そして、冷えた指先を暖める為、蒸しタオルに指を包ませた。
「あちゅいっ」
「冷えてるからな。我慢しろ。後で、雪が作った、雪だるまを見てやる」
「うんっ」
雪が嬉しそうに笑うから、いつきを連れて来て良かった、と思う。
けれど、雪を独り占めされて、複雑な心境だ。
------------------------------
あとがき
いつきとは、とっても仲良しさんです。
〜オマケ〜
「こ、この、隻眼の雪だるまって…まさか…(-_-;)」
「まーしゃん」
「ププッ(*≧m≦*)」
「………良く出来てるなf(^_^;」
「…………一気に疲れた」
「み?」
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!