Dragon Night
竜の護りしモノ B-皐月-
私には…あんな態度、見せては下さらなかった。
どれだけ、お側に居たい、と申し出ても、『要らない』と仰るだけ。
私は、性欲処理の対象でも構わなかった。
ただ、政宗様の側に居たかっただけなのに。
それなのに、あんな馬鹿な女に、優しく微笑むなんて…!!
しかも、寝食を共にしている、なんて――――…。
この皐月こそが、政宗様のお側に居るのが相応しいのに。
どうして、気付いて下さらないの?
ずっと、ずっと、慕っておりましたのに。
あの、三日月がとても綺麗な夜に、私達は結ばれた、と云うのに。
あんな馬鹿女が、近寄って良い方じゃない。
それなのに…っ!!
――――…赦さない。
絶対に、赦さない。
あの女がいるから、いけないのよ。
だから、私を冷たくあしらってしまうのだわ。
政宗様は、惑わされていらっしゃるのよ。
だから、この皐月がお助け致します。
そう―――――…。
あんな女、いなくなってしまえば良いのよ。
政宗様はこの、皐月のモノ。
誰にも渡さない。
渡してなるものか。

"独占欲"が"嫉妬"を芽吹かせ、"嫉妬"が"憎悪"を実らせ、"憎悪"が"殺意"と云う種を落とす。
狂い始めた娘は、次第に醜く笑う。

貴方は、私だけのモノ…。
そうですよね?
政宗様。
あんな女――――…。
死んじゃえば良いのよ。





ソウ。
死ンジャエバ…良イノヨ。





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あきゅろす。
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