番外編
長い夜 ３
｢ふぁ……ぁあっ､んんっ｣
甘い声が､国光の鼓膜に溶ける｡
大きな掌が､奏荼の乳房を包み､揉み解す｡
すると､ぷくり､と立ち上がる果実に指先を絡め､弄る｡
すると､奏荼の口から甘い嬌声が洩れる｡
暫く､奏荼の胸に止まっていた掌が､しっとりと濡れた白い肌を滑り落ちる｡
｢やぁッ!!らめ……ッ!!｣
誰にも触れさせた事のない場所に､指先が辿り着く｡
足を閉じて妨害しようとしても､国光の身体が邪魔をして､閉じることすら出来ない｡
そんな奏荼の意識を快楽に向けさせる様に､唇が胸の果実に触れると同時に､ぱくり､と含まれる｡
｢ひぁあっ､あっ､あ……！｣
きゅっ､と､眉根を寄せて､吸われる感覚に耐える｡
吸われては､肉厚の舌が果実に絡み付き､形をなぞる｡
びくん､と､奏荼の身体が大きく跳ね上がる｡
その隙に､奏荼の身体の最奥にある場所に､指先が辿り着く｡
指先に感じる湿った感触｡
｢……ぁあっ！んっ､ぅ……｣
流れ落ちる蜜に､指先が絡む｡
そして､つぷっ､と音をたてて､胎内に指が侵入する｡
｢ふぁ……ぅくっ｣
微かに感じる痛みと､下肢に感じる違和感｡
そして､与えられる快感に､奏荼の理性は麻痺していた｡
｢はっ､ハチミツく……っ｣
｢奏荼……？｣
不安げに呼ぶ声に､国光は堪能していた乳房から顔を外し､奏荼を見る｡
｢キス､して……？｣
奏荼の望みを叶えるべく､国光は赤く光る唇に､唇を重ねる｡
ちゅっ､ちゅ……
角度を変えて重なる唇が､次第に深くなる｡
｢ぅん……ふ､ぅぅん｣
くちゅ､じゅぷ､と絡み合う舌と吐息｡
長いキスが終わりを告げ､コクリ､と､口内に溜まった物を飲み干すものの､飲みきれなかったそれは､口の端からこぼれ落ちる｡
そして､こぼれ落ちたそれを辿るように､国光の舌がそれを追い､舐めとる｡
｢ふぁあっ､ぁっ､んっ｣
｢ココ､か…？｣
国光の指先がとある一点を付く｡
そこに触れられた瞬間､奏荼の身体が大きく跳ね上がり､いやいやをするかのように､頭を左右に振る｡
知らない間に胎内に居る指が増え､それが我が物顔で動き､その一点を執拗に攻め立てる｡
下肢から背筋を駆け上がる強烈な快感に､足掻く術を持たない奏荼は､その快感を受け入れられず､ただただ､キツくシーツを握り､嬌声を上げるしか出来ないでいた｡
｢はっ､ぁっ……頭､っ…の中真っ白にな……ッ｣
｢なれば良い｡奏荼､お前の全てを見せてくれ｣
｢ふぇ……あっ！あっあ……もっ……らめッ､あぁあーーー!!｣
びくん､と身体を強ばらせながら､奏荼は絶頂へと昇り詰めた｡
ズルリ､と､胎内から指が引き抜かれる｡
そして､国光が奏荼の上から降りる｡
｢は……ハチミツ……くん？｣
国光から聞こえる､ぱちっ､ぴちっと､言う小さな音に小首を傾げる｡
｢避妊は必要だろう｣
｢あ……｣
かぁあっ､と､頬を真っ赤に染め上げ､ふぃ､とそっぽを向く｡
確かに避妊は必要だ｡
けれど､それを国光が買っていた､と思うと何となく違和感がある｡
｢………雪斗さんから貰った物だ｡変な想像するな｣
｢あ､兄上から………｣
奏荼は痛む頭を押さえて､苦笑いを浮かべた｡
[妹の処女喪失に協力する兄って……｡何かヘン]
｢……嫌か……？｣
｢嫌じゃないけど……｣
｢奏荼｣
国光の真剣な眼差しに､奏荼の身体に残っていた熱に､じんわり､と､火がついた｡
［*前へ］［次へ#］
[戻る]
[小説ﾅﾋﾞ|小説大賞]
無料HPエムペ！
