番外編
夢を語る彼
「中学を卒業したら、プロの道に進むために、ドイツに行きます」

その言葉を聞いた時、彼の声には迷いがなかった。
きっと、何を言っても、彼は耳を貸す事はないだろう。

ずっと夢を追っていた彼に、出来る事。
それは、ただ1つだけ。





笑って、




送り出して上げるだけ。





ただ、それだけしか出来ない。




そんな、自分が、




嫌いで、




嫌いで、




行かないで、なんて言えないし、ましてやーー……





連れて行って、なんて



言えなかったんだ。






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