番外編
004
「聞こえっか〜、とーちゃんだぞ〜」
すりすり、さすさす…。
シャナメルの腹を擦りながら、嬉しそうに笑う。
シャナメルの妊娠から"数ヶ月"。
シャナメルの腹は大きくなっていた。
「聞こえねェだろうがよぃ」
「良いんだよ。胎教、胎教」
『…あ』
「メル?」
『今ね、お腹蹴った』
「とーちゃんに似て、元気だなァ」
くすくす笑い合う。
『男のコだったら良いな』
「うん………」
「娘だったら大変だなァ」
「大事な孫娘を嫁になんかやらねェ!!!グラララララ……」
『ふぎゃっ!!』
「「親父ッ!!!?」」
突然現れたニューゲートに、叫び声を上げるシャナメルに、ぎょっ、とした眼差しを向けるマルコとエース。
「孫娘はおれが認めた野郎にしかやらねェ!!!」
「父親はおれだぞ!!」
「いや、その前に突っ込む所があるだろうがよぃ!!!」
云い合う二人にシャナメルは、苦笑いを浮かべ、マルコは盛大な溜息を吐く。
まだ産まれてもいない子供に親バカっぷりは健在である。
『この子が産まれたら、名前を付けるのにひと悶着起きるかも……』
そんなシャナメルの独白は誰の耳にも届かなかった。
◇◇◆◆◇◇◆◆◇◇◆◆◇◇◆◆◇◇
『………スくん、エースくん』
「んが……?メル………子供……」
『何の話?子供???』
シャナメルは小首を傾げて、エースを見つめる。
「夢……かよ」
がっくし、と項垂れるエースに、シャナメルは小首を傾げて、見つめるしかなかった。
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