番外編
003
シャナメルは1人、自室に閉じ籠っていた。
"妊娠"してしまった。
もし"堕ろしてくれ"と云われたらどうしよう……。
頭を巡るのは最悪な事ばかり。
シャナメルは、そっと腹に掌を這わせる。
確か、妊娠中は"性行為"は出来ない。
そうなると、男は浮気に走る、と云う。
エースが浮気……と考えた瞬間、嫌気が走る。
赤ちゃんは欲しいが、浮気をされるぐらいなら、と考えてしまう自身が信じられない。

「メル」
『………』
「入るぞ」

ガチャリ、とドアを開けて入ってくるのは、考えていたエース。
エースは心配そうに、シャナメルを見つめている。

「シュナイダーはなんて…?」
『………』
「聞きに云ってもメルに聞けって云われたんだ」

シャナメルの横に座ると、シャナメルの肩を抱く。

「メル…」
『………ボク、ね』
「うん」
『ボク……』

そっと、肩を抱くエースの掌を自身の腹に当てる。

『……赤ちゃん………居るの』
「マジでか!!!」

エースの表情が明るくなる。

「ぃやったぁああ!!メル!!」
『きゃっ』

ガバッ、と、シャナメルに抱き付く。

「すっげェ嬉しい。おれとしたら、男が欲しい!!女だったら、メルに似た子が良いぞ」
『まだ判らないよ』
「親父ーーー…!!!」

ダダダダダ……と、ニューゲートの部屋に行くと、

「メルに子供がデキた!!おれの子だ!!親父に孫が出来るぞ!!!」

とまぁ、おおはしゃぎ。
すると、エースの声を聞いた隊長達が挙ってシャナメルの部屋に押し寄せる。

「シャナ!!」
「良かったな!!」
「あれは悪阻だったのか」
「暫くの間は、おれたちが重たいものとか、買い出しとか行くから、安定期ってヤツになるまでは大人しくしてろよ」
『うん……ボク、頑張るね』

シャナメルの言葉に、隊長達は「宴だ」だの「男だったら良いな」等、好き放題述べながら、シャナメルの部屋を後にした。





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